撮影こぼれ話

今日は家族で行ってきました『街 建物 リノベーション展2012』。

19:00からのトークイベント「大阪の都心居住。それオレらがつくってたんやで!」を聴きに。と思ったら超満員で入れず。というか息子ややこし。夫もしどろもどろ。入って3分で断念した。何と言う盛り上がり。いやしかし非常に残念。ずっと気になっていた「都住創」のお話が目の前で聞けなくなってしまったのだから。それもこれも何かのご縁。展示会場「クラフトハウス」に戻ると、会いたい人に会えたから。

その一人がこの写真を撮ってくださった、デザイナーのトクさん。アートアンドクラフトに常駐しながら数々の紙媒体、web媒体の宣伝物をスーパースピードで作り上げていくグラフィックガール。抜群のトリミングセンスでわたしの写真がもういっちょ羽ばたいていく感じ。彼女の調整のおかげで8時間や10時間の撮影スケジュールも問題なく快適に、そして楽しく豊かに進んでいく。

わたしにとって撮影とは、チーム仕事。

こんなきわきわな場所でもみんなと一緒なので怖くなかった。数枚ブレてたけど。朝から晩までスタイリングに走り回っていたヒロカワさん、この展覧会全体を企画運営コーディネートしていたド根性の持ち主オカザキさん、撮影前日の深夜まで手直しされていた設計者のビワさん。それらすべてを包み込む社長ナカタニさん、アートアンドクラフトのみなさん、ひとりひとりのお顔を思い浮かべながら撮影していたことを、今日、ふと思い返したのだった。

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Crafts House

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Fukushima , Osaka / NOVEMBER 2012 (Produced & Renovation by Arts & Crafts)

家が会場

この秋、出し切ってきたお仕事がカタチになってきています。

出し切って来すぎてカスカスなので、淡路島でエステしたけど、それでも1週間したらまたカスカスなので、誕生日に買った無印良品の「超音波アロマディフューザー」にブレンドエッセンシャルオイル「リラックス」を7滴入れて潤いを。何、これ。抱えて寝たいぐらい癒される。

いやいや、全然寝ている場合じゃないよ。

“家が会場”の展覧会『街 建物 リノベーション展』が大阪市福島区で開催中なんだもの。リノベーションのパイオニア「アートアンドクラフト」さん(大阪市西区京町堀)のこの10年の歴史と、 コンセプトハウス「クラフトハウス」(今回の物件は商店街の中の築年不詳の木造戸建をリノベーション)に誰でも入り込める仕掛けになっている。わたしはこの展覧会にまつわるあらゆる写真を山ほど担当させていただいた。17歳の頃から家の写真の仕事がしたい(新築じゃなくて)と漠然と思っていたことが、17年経って、ほんとにど真ん中に、そしてこれ以上ないくらいに叶っていることにただただ感謝。感無量。だからカスカス。だから嬉しい。

昨日、オグラユウジくんと2人でこの家会場へ。彼はいつも山ほどわたしの”家の写真”をプリントしてくれているけれど、実際に一緒にリノベーショ ンされた空間に足を運ぶのは初めて。入るなり、わたしたちの”写真”が山ほど美しく展示されていた事にまず驚いてくれ、家に入るなり様々な建材とデザイン、そして射し込む光と空の風景に感嘆の声。そして何故か、畳下の収納に一番感動していたオグラユウジくん。それを横で聞いているのがおかしくて、吹き出しそうになっていた。そういうストレートな、そういう普通の感覚が、見れて聞けてよかった。この家、3980万で購入可能。

人それぞれ、住まい方自由でいいと思う。
ただそれが自分に合ってれば。
新築でも、タワーでも、建て売りでも、団地でも、町家でも長屋でも小屋でも。
その選択肢のひとつとして「リノベーション」という手段があるよってだけ。
知るだけでも、知ってほしい。

オープニングのトークショウで編集者の竹内厚さんが言っていた。
「家の奴隷にならない」、「家に負けない」、「それがリノベーション」。

【街 建物 リノベーション展2012】
2012年11月16日(金)-25日(日) 13:00-20:00
会場:クラフトハウス福島区聖天通
http://www.a-crafts.co.jp/machitate-ten/

関連記事。たくさん写真を掲載してくださいました。
used living -life style web magazine-
http://www.used-living.com/topic/artandcrafts

*写真右/街 建物 リノベーション展チラシ(聖天通商店街で秋の朝撮影)
*写真左/同時にオープンハウス開催中のセレクト型リノベーション「TOLA3」のチラシ(こちらの写真もすべて担当)

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Minami-Awaji , Hyogo / NOVEMBER 2012

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Minami-Awaji , Hyogo / NOVEMBER 2012

束の間バカンス

ベンツに乗せてもらって、淡路島へ。

今週34歳の誕生日を迎えるわたしは、何か変わったことがしたいなと思っていた。そこで思いついたのが「エステ」と「バカンス」だった。ひとりや家族でのバカンスは普通だけれども、わたしにとって「お友達とのバカンス」はなんと人生で初。女子同士でどうのこうのする例えば卒業旅行も行ったことなし。修学旅行やら研修旅行、あらゆる何とか旅行が憂鬱だった。だけど息子と同じ3歳の”ミニカー好き”のユウくんと、9歳年上の落ち着いたママと、ベンツ、エステ、一時保育、大阪から1時間以内、5日後の日曜日と月曜日、広い和室、ウェスティンホテル淡路。というピースがカチカチっとはまって、旅の予定は一瞬で決まったのだった。

ホテルのロビー。ここにも、大きな窓。射し込む光はあたたかかった。建築は安藤忠雄建築事務所。2000年、淡路花博の際に建てられた。赤い花の椅子は、プロダクトデザイナー梅田正徳デザインでエドラ社製。一体定価74万円。そんな空間で、大はしゃぎ。記念写真はこんな案配。かと思えば、74万円の脇でミニカーを貸す貸さないの言い合いのひっぱり合いまで繰り広げていた。

そんなこどもたち。母たちの「エステ」タイムには2時間だけホテルの託児所で、ともに過ごしてくれた。それもこれも初めてのこと。ユウくんは強かった。息子は泣いていた。ユウくんは息子の手をぎゅっと繋いで遊んでくれていたらしい。そしてその手を繋いだまま、ふたりは保育士さんに敷いてもらった布団の上でわたしたちが迎えに行くまで眠っていた。わたしたちの2時間はあっという間だったけれど、こどもたちの2時間は長かったんだ。 そうだ、忘れそうになっていた。こどもにとっての時間感覚。ユウくんの手と息子の涙で知る束の間の出来事だった。

この後、わたしは初の「エステ」効果で老廃物が出まくることになる(トイレ約20回)。出ることは良いこと。取り込むことができるから。夕食ビュッフェで焼きたて淡路牛を、朝食で焼きたてオムレツを、イングランドの丘でゴーカートを、ユウくんとママの乗馬姿を(我が家は見学)、ふれあいコーナーで羊を(我が家は見学)、ハイウェイオアシスで恐竜のお土産を、明石海峡大橋で旅の終わりを。今回の旅に憂鬱さはひとつもなく、だからすべてを爽快に取り込んで帰ってこれた。

そうそう、9歳年上のママ。
彼女の運転は意外にも、やんちゃだったんだ。
大人の色気。後ろで固まりながら見ていた。
彼女との旅はなんだか全部が心地よかった。

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窓ぎわトーク

右の上の”親知らず”を抜いてきました。

ついさっき、12:15の事。頑丈に15年ほど居座っていたものにサヨウナラするのだから、痛いし怖い。33歳にもなって痛い怖いを連発しながら、先生に押さえつけられ15分。最後は頭蓋骨までグイングイン揺れて、はい、グッドバイ。抜けた瞬間、先生と看護師さんと3人で拍手喝采。歯科で拍手。いいもんだった。いま口の中は麻酔が切れてるのか切れてないのかも分からないくらい、ぼんやり。もう3時間も経つのに。

ぼんやりしているけれど、これだけははっきりしている。
2012年11月。わたしたちの会社「写真とプリント社」が4周年を迎える。

設立当初は「フィルムとかプリントとか、時代の逆を行ってますけど、大丈夫?」とか「(いい意味で)アホですね〜。」なんて心配してもらったり面白がってもらったり、たくさんの方々に応援して頂きここまで来させてもらった。わたしとしては設立と同時に、妊娠と出産とそれからダイナミックに2回も入院したりと大騒ぎの4年間で、実は今がほんとにスタートの気分。今がやっと楽しくなってきた感じ。

待っててくれて、ありがとう。
この窓と、川と、白い空間と、そして二人。

いつも真ん中の席でコロリンと座っているのが、マツカワヨシヒロくん。夫。昨夜妻と子を置いて、今朝から長野の根子岳に登山している。そして、いつもシュっと機械の前に立っているのが、オグラユウジくん。夫より長いお付き合い17年。スーパープリントマンで、孤高の写真家。毎朝の日課が散歩と多肉植物のお手入れ。そんな二人とは、日常の趣味が全然合わないのがわたし。だけども、写真と仕事のスタンスは空気のように共有できる。なんか変な感じだけども、そんな感じ。

そんな感じのわたしたち、4周年を記念して、トークイベント『窓ぎわトーク』を11月24日の夜7時から開催します。普段はなかなかお話できないような、写真の仕事の裏側から日々の写真との付き合い方、窓ぎわで”きわきわ”までお話します。コロリンのマツカワヨシヒロくんはこの日のお昼間から、珈琲をふんわりドリップします。くじ引きもあるみたい。

■2nd Window 窓ぎわトーク〜Work, Life, Photo〜
2012年11月24日(土)19:00-
@写真とプリント社(大阪市西区土佐堀2丁目1-2西村ビル3F)
出演:小倉優司×平野愛
入場:無料 定員:15名 予約制(CONTACTよりお申し込みください)
※11/12 満席となりました。ありがとうございます。

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