DIYのおうちから

今週は毎日『にっしー第3号』(大阪市西区)の取材に走っています。

そんな中の数時間、嬉しいお客様が仕事場まで会いに来てくださった。
黄色い服とヒールが光る、久米真理さん。

昨秋から大きく取り組ませていただいている団地写真(UR都市機構)。その企画の一つ「DIY UR」を通して真理さんと出会うことになった。ご自身、築46年の古い賃貸住宅のおうちをまるごとDIYで(Do It Yourself=自分で!)改装されたという、まさかのド根性の持ち主。お会いしてその細い腕を見てびっくりしたのだった。そしてほんとにDIYってすごいと思った。

なぜなら我が社の3人、誰一人として釘一つまっすぐ打てないのだから!

よく白く改装した空間を見て、「この天井とか壁とか自分たちで改装されたんですか〜?」と聞かれたりするのだけれど、いやいやまさかまさか、「全部建築家さんと工務店さんにお願いしました!」とチーンとなりながらお答えしている次第。一見やれそうでやれない微妙な我ら。

真理さんも素敵に天井を見上げてくださって、大笑いしながらその話をまた繰り返していた。

そしてなんだか分からないけどお話しているうちに、なんか塗れる気がしてきたり、トントンカチカチと手を動かせる気がしてきたりと「やれる気がするパワー」を頂戴したのだった。

いい予感。この春、何かやれるかも。

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WORK『にっしー 第2号』

大阪市西区発行のあたらしい情報誌『にっしー第2号』のお仕事をさせて頂きました。

特集は「ものづくり王国、西区。」

そうなのです。ものづくりの中でもわたしも以前から”なんでこの地域はネジとかボルトとか工具とか、そういう金属工場が多いんだろう”と思っていたのです。それが見事に取材された面白いスタートダッシュに始まり、活版印刷、木工、神棚、自家焙煎珈琲、陶芸、雑貨デザイン、そしてリノベーション。前号からの連載のオーガニック、子育て支援サークル情報、子育てイベントに、防災・津波対策情報、と濃密濃厚で渋々のラインナップでぎっちぎちの贅沢な1冊となりました。

その中からわたしは「リノベーション」「活版印刷」「陶器」「雑貨デザイン」「昆布」、そして今回も「表紙」を担当させて頂きました。

“西区のものづくり”のひとつとして、わたしが以前から深く関わり続けている「リノベーション」を取り上げられたことがまた何とも嬉しいのとナイスなのとで、テンションがダダ上がりになりました。そしてそのパイオニア的存在である京町堀の「アートアンドクラフト」さんをはじめ、西本町の「とのま一級建築士事務所」さん、そして阿波座のクリエイターズビル「ACDC」さんの写真を担当させて頂けたことがとても光栄で嬉しい出来事でした。

表紙の活版印刷工房「江戸堀印刷所」さんを撮影させて頂けたのも小躍りしてしまうくらい幸せでした。日没後6時の風景。この風景はわたしがいつもここを通りかかる時に見かける風景そのものなのです。この距離感も、笑顔も、空間のたたずまいも。

2014年1月14日発行。
現在、西区役所や西区民センター、大阪市立中央図書館や今号の掲載店、西区内地下鉄各駅、西区内郵便局などで無料配布中。
mogu cameraにもたくさん置いています。ぜひ一冊お手元に。

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WORK『にっしー 第1号』

大阪市西区のあたらしい情報誌『にっしー』のお仕事をさせて頂きました。

キャッチコピーは「もっと知りたい、わたしの地元・西区」。
コンペの段階から写真で関わらせていただき、このお仕事が決まったときからいまもドキドキワクワクが続いています。まさにわたしの第二の地元となっている「西区」。取材に行くたびに発見があるのです。

第1号の特集は公園。
西区の代表格公園の靭公園を筆頭に、新阿波座公園(表紙)などの数々のホットな公園を友人たちの協力も得ながらたくさん撮影させて頂きました。特に新鮮だったのは木津川沿いの公園取材。遊覧船「お舟かもめ」さんに乗船して、川の上からの撮影となりました。移動がお舟というのは初めてでした。

編集はこの事業のために選ばれた9名のスタッフで、そのすべてをまとめるのが編集集団140B。
一つ一つの情報を自らの足で取材され続けています。ほんとにドロドロになるくらい入り込んで。
デザインは雑誌『ミーツ・リージョナル』のデザイナー・ツムラグラフィークさん。
発行部数なんと6万4千部(ちなみに大阪市西区の人口は約8万5千人)。
2013年11月12日、大阪市西区より発刊されました。

新聞の折り込み、西区の各施設、保育園や子育て支援センターなどにて「無料」配布中です。

第2号は早速2014年1月14日(火)発行。
特集は「ものづくり王国・西区」です。

今日も早速、第3号の取材に行っていました。
またまた”ああ西区っていいなぁ”と思えるひとときでした。
ぜひ読んでみてください。超濃厚な内容です。

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WORK『KOBE MAP FOR NOMAS』

年始早々に、パツパツになってきました。
現在5プロジェクトほどの案件が同時進行中。常に頭の中は次のイメージ作りと研究でいっぱいです。
昨日は初めて「公用車」というもので送迎してもらい、そしてドアを開け閉めしてもらい、現場から現場へと移動を続けていました。何と言う待遇でしょう。とはいえ、一歩外に出れば極寒の山のほう。胃も背中も冷えきり復活までにしばらく時間を要してしまいそう。とりあえずカイロを貼って移動し続けています。

前置きが長くなってしまいました。

神戸R不動産のFREE MAP『KOBE MAP FOR NOMAS 移住者のための地図』のお仕事をさせて頂きました。
神戸に移住を考えている人や、居住先や仕事場を考えている人へ。
神戸の街を山と海とその空気で紹介する新しいカタチの地図です。
折り畳まれた地図をどんどん開くと横幅1mくらいある大きな地図に変身して、ぐぐぐっと来る言葉の数々が降り注ぎます。
この言葉がわたしにはまさにいま、響き倒しています。
だってキャッチコピーが「スポーツを楽しもう」ですもの。

実はこちらの撮影は昨年のちょうど今頃だったのです。
発行は2013年の3月25日。

極寒の六甲山の上のほうへ、この時は企画者のお一人で神戸R不動産の小泉寛明さんのワイルドな車で登らせてもらった。小泉さんはこれまでの10年間で東京〜大阪〜伊豆〜ロサンゼルスの中を25回も引っ越しを繰り返してこられたツワモノ。車中で聞くお話はワールドワイドすぎてよく聞き取れなかった。

下見の日は豪雨と暴風で、命の危険さえ感じたこちらの物件。
全く下見にならなくてどうしたものかと思っていたら、撮影日には快晴となり見事に山から港までを眺めることができたのでした。
表紙に書かれたコピーは「これが仕事場の窓からの眺めです」。

デザインは神戸のトリトングラフィックスの松岡賢太郎さん。
ご一緒するだけで楽しい気持ちになれて、笑顔になれる方。
この膨大な情報と空気感を素晴らしいテクニックとお心でまとめあげてくださった。

編集は東京から東京R不動産の安田洋平さん。
地図作りへの愛が半端ない安田さんから湧き出る言葉と熱。
約9年前、書籍『東京R不動産』の取材で30件近くをともに移動させて頂いたあの日々から、全く変わらなかった。

こちらの地図、気分も中身もいまもまったく色あせず各所で配布中。
送ってほしいなという方はこちらをご参照ください。
mogu cameraでも配布しています。
「空気、自然、スポーツ、家族などを重視して居住や仕事場を考える」すべての人に、ほんとにおすすめです。

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暖炉のあるおうち

仕事がはじまりました。
息子は保育園がはじまりました。
今日は一日データの中に埋もれて、納品作業。
明日はアートの取材から撮影がはじまります。

奈良のお話をもう少し。
2日目はまた場所を移して、今度は古墳の近くの暖炉のあるおうちへ。
ここは93歳のおばぁちゃんとその一家の別邸。
暖炉の煙突の横には木だけでできた渡り廊下が走っている。
この空間を挟むように、右手には若草山を望むための展望室、左手には美術工芸品のコレクション部屋。
一階の右手には茶室。渡り廊下空間のリビングとグランドピアノの間を挟んで、左手にはキッチンとダイニング、水回りと客間が3室ほど。
建築家さんがさまざまな木材を駆使して建てられたこだわりの空間が点在する。
訪問するたびに木々の経年変化を楽しませてもらっている。

毎年ここへ夫側の親戚一同、1歳から93歳まで18人が集結する。
今度はアマゾン系の甲高いお声が響き合う。4歳さんが3人もいると暖炉のあるおうちは熱さを増す。
おちおち座ってもいられない。
今年は”やかましい”を超えて、もはや”聞こえない”世界へ。
方やご高齢たちは補聴器のボリュームを下げておられたのか、いつもの朗らかさ。
わたしの耳にもボリューム調整器がほしいものだ。
そんな中、息子は人の多さに完全にフリーズしてしまい、一歩も下に降りず仕舞には客間のベットで寝てしまった。
走り回る小さな猛獣たちがどんなに叫ぼうが騒ごうが関係なし。
アマゾンの中で寝れるってすごい。

抱っこから解放されたわたしは、93歳のおばあちゃんから「柿なます」の作り方を伝授してもらっていた。
あまりにそのお声が優しくて、これは文字にするでもなく、写真やビデオでもない、音で残さねばと思った。
そこで「もう一度はじめからお願いします。」と伝えて、iPhoneのボイスメモを起動させた。

6分26秒の肉声。
アマゾンの雄叫びの狭間で、風のささやきのような音声を記録することができたのだった。

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