ワークショップのその後で

1週間後ちょっと発熱。ブレーキかけてかけてと、己にいい聞かせる。2度目の入退院から丸5ケ月が経過。まだまだ突っ走れない。周りのみなの力を借りて、休養。そして週末、恐れ多くも念願のシルヴィ・ギエムの『ボレロ』を全身に浴びる。筋肉一本一本から奏でられる完璧なエネルギーとクリエイションの旋律。圧倒とか感動とかのレベルを越えて、しびれ涙が出た。

松山からはワークショップ時の作品をまとめたフォトブックが届いた。そして参加者のもじもじチームのお一人からあたたかいお手紙までも届いた。ありがとうの余韻がまだまだ覚めやらぬ。松山を思い出して仕方がない。

お宿もよかった。ビジネスホテルも普通のホテルもどこも1ケ月前から満室で(どうやらそれは広場で行われていた物産博の影響)、贅沢ながらも今までの出張で溜まりに溜まったポイントを駆使して、道後温泉界隈でキープした。『道後やや』というそのお宿は、すべてのタオルが今治タオル(いまばりたおる/愛媛県今治市、国内最大のタオル産地のブランド)。新しかった。

夫と2歳4ケ月の息子はいかに。ワークショップ前日は会場の愛媛県美術館の下見に同行。美術館スタッフの横でしっかりチェック。主催店の南海カメラ店主の宇都宮由美さんの事を「ママ」と息子は呼んで和んでいた。それから松山在住の大学からの友人一家のお宅へ寄り道訪問。5歳と3歳の元気ガールズに遊んでもらい、彼女達の父に抱っこされるも和やかな息子。みな和みのα波が出ていたからだろうか。いつもの場所見知り人見知り体質が落ち着いていた。ワークショップ当日はもちろん別行動。この日の息子は夫の肩の上でほとんどを過ごしていたようだ。やはり知らない人だらけの初めての場所ではほとんど地上には降りれない。午前中は、商店街、からくり時計、坊ちゃん列車、神社の大階段、道後公園、展望台、95%肩車。坂道アップダウンおかまいなし。疲れ果てた夫は息子と並んで2時間お宿で昼寝。午後はマクドで初ハッピーセット、路面電車で松山市駅、電車で瀬戸内海、95%肩車。最後はわたしの終了めがけて愛媛県美術館。息子にこにこ。夫どろどろ。夜は3人でワークショップお疲れさまの宴に参加させて頂く。19時から21時半まで、たくさんのおもてなしを厚かましくも一家で堪能し、息子とともに「ママ」との別れを惜しんでいた。同席してくださったウェブデザイナーさんと記録写真を撮り続けてくださったカメラマンさん、そして富士フィルムの担当さんまでもが最後まであったかかった。

松山滞在最終日の朝は、夫と交代交代で近くの温泉へ。息子は100%ややこしいので、トライもせず。お宿から徒歩5分の道後温泉に夫。3分の椿の湯にわたし。お宿のタオルシステムで、自分好みの今治タオルを9種類の中から選んで、下駄履いてからんころんと。早朝ともなると浸かっているのは、オール地元ばあさん。温泉パワーでみなツルツル。芯から温まった。毎日でも入りたい。お宿に戻り、大満足の朝食バイキング(今まで泊まった中でも最大級のラインナップ)を終えて、荷物を大幅に減らすために宅急便の手配。身軽になって、松山城へ。せっかく登るも、95%肩車に心折れて入り口付近でUターン。夫(高所恐怖症)と息子はケーブルカーで、わたしは並走するリフトに乗ってfather-sonシリーズの写真撮影。1回限りのチャンスにおおはしゃぎでタイミングを合わせた。

松山滞在のクライマックスは海辺のレストラン『ブエナビスタ』さんへ。友人一家に5年ほど前に連れて行ってもらった、お気に入りの場所。ウェブデザイナーさんが「アイスドックがやばいですよ。」(写真)と薦めてくれていたのがまた楽しみで、うきうきと電車を乗り継ぎ、梅津寺駅で下車。電車で寝てしまった息子を横に、アイスドックとナシゴレンを一気に頂く。秋なのに、夏のような光と空気。店主さんとの大阪と松山の街トークに花まで咲く。波の音と、潮の匂いと、暮れてゆく日。目覚めた息子はここでもまた、裸足で地上に舞い降りていた。

はじめてのワークショップ「Days and Colors」。はじめての家族旅行。
はじめてづくしの染み染みDaysは、こうして終わっていった。

ブエナビスタ(前には一面瀬戸内海。後ろには一直線にのびる線路。松山がまた好きになるお店。)
Days and Colors(平野愛が講師をつとめるフォトワークショップ。第2回は大阪京町堀のArts&Craftsさんショールームで11/23開催。お席残りわずか。)

20111107.jpg

Archives by Month