10日目のiPhone【※※ up】

※※ただいま生還いたしました。ご協力くださったみなさま、ありがとうございました。明日ヨドバシカメラでもっと頑丈なカバーを装備して参ります。(2012.1.24)

※ただいま出陣中につき電話&携帯メールが使えなくなっております。大変ご迷惑おかけしますが、お問い合わせはこちら(写真とプリント社)か “いつもの” パソコンメールにお送りくださいませ。(2012.1.21)

落ちて、フロントガラスが割れた。

正月に観た映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』に感化されて、早速その10日後にiPhoneに買い替え、その10日後に 壊れた。棚の上のものを取ろうとした息子のそれにiPhoneが乗っていたがために、引っ張ったと同時に落下した。わたしはその真横に居たというのに、博多出張や撮影帰りでぼぉっとしていたため阻止できなかった。ちょっと落としただけで、こんなになって、なんて弱い!プロダクトとしてどうなんだ!ミッション:インポッシブルとしてどうなんだ!と、ムキムキと怒り心頭。子に八つ当たりしてしまい、夫からは「気にしとるから、落ち着いて。」と鎮められた。我に返ると、子は申し訳なさそうな顔でじっとこちらを見ながら、「ワレちゃったん?」と繰り返していた。ああ!もう!割れたiPhoneと切なき我が子の板挟み。風呂場へと逃げ込み、熱めのお湯を頭からかぶり己を鎮めるしかなかった。

強くあってほしい。とにかく強くあってほしいんだ。
車とか、カメラとか、携帯電話とか。
こういう武器は。

ちょっと当たっても、ちょっと落としても、ビクともしない。そういう瞬間に立ち会った時に、惚れ直すというもんだ。このblogの写真を撮ってい るフィルムカメラ「KLASSE」はもう何度惚れ直したことか。仕事でともに戦っているカメラも同じくである。最近再びよく使っているカールツァイスのレンズなんてのは、10年経ってもビクともしていない。撮影準備でカメラバックにセットしている時間は、それら強き武器達の姿に信頼と感謝の念を込めている時間でもある。

さぁ、これから修理が待っている。いざ出陣。

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段ボールの中の青春

再び京都の実家。ずっとほったらかしだった2階の片付けへ。
アレルギーが出ぬよう、完全防備で。

きっかけは来週からはじまる実家の改修工事。築90年近くの洋風町家。瓦屋根の葺き替えや外壁内壁の修復にはかなりのパワーがいるようだ。頑張ってくれる両親のためにも、ちょっとでも協力せねばと急に力が湧いてきた。ひとり暮らしをした事もなく、27年間一歩も離れず暮らしてきた実家には、どうしても捨てられなかった青春の破片が段ボールの中にゴロゴロしていた。主に、学生時代に書きためた言葉や絵。写真。必死に勉強していたノートや文献、図書館でコピーした資料。それから、それから、好きな人からもらった手紙。はがき。写真。あかんあかん、きついきつい。きっついわーと言いながら、片付けをともにしていた妹と二人でキャーキャーワーワーゴロンゴロンと、ひっくり返っていた。ここは姉妹部屋として2人で使わせてもらっていた場所ゆえに、時折モノが交錯する。モノだけでなく、何でも共有していた二人の記憶まで交錯する。

結局、痛々しいのはまたしても捨てられず、より厳選されて1つの場所に集まった。時が経てば見れるものになるかというと、そうでもないようで、むしろ増す。あの痛々しさはもう2度と戻ってこないし、もう2度と同じことはない。だからむしろ、またいつか見てみたい。またいつか妹とゴロンゴロン、転がりたい。一瞬だけ、あの日々に戻りたい。泣いて笑って励まして、一緒に育ったあの日々に。

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こんちはよろしく2012

咳なし、熱なし、体調よし。2012年出だしよし。
みなはどんな年末年始をお過ごしだったのだろうか。
昨日はみしんの子一家と一日中一緒に過ごした。みしんの子さんお手製の御馳走を腹いっぱい胸いっぱいにほおばり、テンション上がってなぜか逆立ちが飛び出したり、ヨガのポーズが飛び出したり、幸先よろしい温風が吹いていた。ありがたし。

少し戻って、我らの年末はと言うと積極的にバラバラデイズ。夫は一人、我が家のごちゃごちゃ部屋(いるのかいらないのか分からないレコードと本だらけの部屋)の掃除を担当。わたしはアレルギーが出るので、子とサンダーバードに乗って一目散に京都の実家へ。みなに囲まれぬくぬくと過ごした。

そして元旦。毎年恒例の姉妹での映画鑑賞へ。息子は実家の両親に預け、妹とともに新京極のMOVIX京都へ向かい、現地で夫とも合流。今年は『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』。ミッションに立ち向かうまでの準備シーンにシビれた。全然かっこよくないのだもの。誰がやるか揉めてるし、いろいろ引きずってるし。ついでに現場でもけっこう鈍臭い。それでいて、次から次へと出てくるスパイアイテムがかっこいい。iPhoneもiPadも違和感なく活躍している姿には、さすがに感動した。iPhoneをはじめて欲しいと思った。時々こうして、大きな映像を浴びるとやる気が出てくる。

それからは、夫の実家のある奈良へ。大おばあちゃん(92歳/夫の母の母)の別荘で贅沢三昧のおもてなしを受けたり、子のリクエストに答えてお嬢様方にバイオリンとピアノで『キラキラ星』を演奏してもらったり、夢みたいな世界が続いた。夫も、少なからずこういう雰囲気を一部浴びながら育ってきたのかと思うと、色々納得できる部分が浮かび上がってくる。一夜明け、今度は平城宮跡へ。開放感溢れる大地に開放感溢れる耳で、息子も走り出すかと思いきや、ほとんど降りず。あの歓喜に沸いた年末は何だったんだと思うくらいの抱っこ。クールダウンどころじゃないくらい、突風吹く寒さに震えながら、15kgをひたすら抱っこと肩車(夫が)。想像してみてほしい。スーパーで売ってる5kgの米を3つだよ。正月の寒い朝の平城宮跡になど、辺り誰もおらず、我ら修行僧のごとき立ち姿で、行き交う近鉄特急を間近で眺め、行き交う乗客達にギョっとされていた。そして夫と、こう言い合った。「降りてくれも歩いてくれも、言わぬでおこうぞ。抱っこしてほしいと言うのなら、してやろうぞ。その日まで。」

と、言った矢先に何て事ないコンクリートのスロープで、急に降りて走り出した。2年と6ケ月が経てど、今だつかめぬ子の心。2012年のはじまりはじまり。

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