ゲストスピーカーとして

「授業の1コマ、ご登壇頂きたい。」

夢のようなお声がけをくださったのは、元・ミーツリージョナル編集長の江弘毅さん(現・編集集団140B総監督)だった。終わった今でも信じられない。

場所はヴォーリズ建築が美しい神戸女学院大学。「メディア・コミュニケーション〜プレゼンテーションの技法」のゲストスピーカーとして、昨日29日、お話させて頂いてきた。今日はこうして振り返りながら、あちこちの筋肉痛をヒシヒシと感じ取っている。

学内でも優秀な20数名しか受けられない、この江先生の授業。
今年のゲストスピーカーは他に落語家さんとラジオパーソナリティーさん、そして博報堂コピーライターさんが1コマずつ来られるという。言葉を操られる方々の中、唯一「非言語表現者」として紹介頂いた。
とにかく、喘息が出ないかとそれが不安で朝は治療用の吸入器を力いっぱい吸っていったのだけれど、江先生のその最初の一言一言に、わたしは安心と自由を得ていった。横には巨大なプロジェクタースクリーンという特別なステージなのに。そして目の前から迸る(ほとばしる)熱い視線に、トークは一気にドライブしていった。

内容は、そう、「写真を撮るという仕事」について。
3年間パンフレット撮影を担当させて頂いてきた神戸女学院大学の写真を通して、わたしの撮影スタイルをこれまでのエピソードを交えて。踊るように。

振り返ると自分のテンションの高さに反省しきりで帰りの電車ではもぬけの殻。
直行直帰。穴があったら入りたい。
息子のお迎えに行けないくらいベットで干からびていた。
オーケーオーケー。それでいい。
昨日の90分は確実にわたしを次へと進めてくれた。

感謝が溢れ出て、筋肉がバキバキ言っている。

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ぼくらは出会った

23日、息子は2歳になった。

朝から夕方まで携帯電話には数々のメッセージを頂いたにも関わらず、わたしはケータイも家の鍵も保育園バックに忘れたままの半日を過ごした。ロッカーの中でひっそり祝福を受け取り続けていたのかと思うと、それはそれで嬉しく幸せを感じた。そしていつもより1時間早く迎えに行き、まだ光のあるその1時間を使ってアトリエで記念写真を撮った。

2年前のあの日々は今でもくっきりはっきり覚えている。臨月前は戦闘モードで、なぜか『北斗の拳』の一時期の主題歌「TOUGH BOY」(TOM☆CAT/1987年)が聴きたくて、すぐに持ってきてとオグラユウジくんに頼んだ。そして本当にすぐ持ってきてくれた。そして本当に歌詞がよかった。臨月に入ってやっと己の身体が理解できてきて、早く出てきてほしいというよりは、まだまだこのままという気持ちでいっぱいだった。ついに待ち人の合図が来て、早く病院に入らねばならぬのに、駐車場では「いやだ」と泣いていた。
もう予定日から10日も経っていたのに。

待ち人をはじめて抱えた瞬間わたしの口から出た言葉は。
「デンジャラス!」だった。
そしてあまりにも動物的に、天に向かってガッツポーズをしていた。
感動とか、涙とか、そんなふわっと柔らかいものではなかった。

あれから2年。
やっとやっとあの日々にグッドバイできはじめている。
2年ぶりに「TOUGH BOY」が聴きたくなったのだから。

23日の夕暮れは、今年もまたうっすらオレンジがかった夕日が射し込んでいた。

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雨靴の音

ペタペタペタ。

午前11時の仕事場の階段を上がって来てくれたのは「みしんの子」一家だった。
最近の作品”陽気なパンツ”をお揃いで。
手づくりスイートポテトケーキを持って来てくれた。
服だけじゃない。食べ物もいける「みしんの子」さん。
もう1人。
窓際の二人に優しいまなざしを送っているのは、ウェブデザイナーの父さん。
いつかそんな父さんともお仕事できたらなぁと思っていたら、チャンス到来。
ただいま進行中のプロジェクトを一つ一緒に。
わたしの写真や周辺を知ってくれているという安心感。
いいものに仕上げたい。

近況を話せば止まらない。
もう一度ペタペタペタと階段を降りて、1階のアンティーク喫茶店カルチェラタ
ンさんでサンドウィッチランチ。わたしはここのBLTサンドが好き で、ランチタ
イムだとそこにスープと珈琲とデザートが付いて900円。近くのサラリーマンや
OLさんに囲まれて、一家とわたし、浮いていた。次は カレーを食べようか。

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ダボダボパンツ

やっぱりか。そうきたか。

息子の手足のブツブツは園で目下大フィーバー中の「手足口病」かと、思いきや、「ウィルス性中毒疹」という何ともおどろおどろしい名前のアレルギーの一種だった。風邪の菌が高熱とともにアレルギー反応を起こして肌に出る発疹。手足裏にはできにくく、乾いていて、左右対称性が特徴。他の子と何かが微妙に違う気がしていたら、その勘は当たっていた。3日間、3つの病院を渡り歩いて3つ目で出た結論。疲れたけれどすっきりした。何ともおどろおどろしいのだけれど、怖くない。大丈夫。今日も隙あらば踊っているのだから。

足元には、ダボダボパンツ。
「みしんの子」さんが郵便受けに入れておいてくれた、ダボダボパンツ。
うっすらと痒みを帯びているブツブツ脚を、ゆるやかに守ってくれている。

タイトなファッション、タイトな体、タイトな仕事、タイトなスケジュール。
タイトタイトな世の中に、ダボっと広がる風穴ふたつ。

みしんの子(服と人。心地よいスタンス。6/5ダボダボパンツの記事も)

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ごきげんな仕事場

火曜日の仕事場は、ラボ部門の「mogu camera」が定休日。
お客様の出入りもないため、結局、今日はダボダボパンツの息子を連れて仕事場に。

保育園で頂いてきた「手足口病」という病気は、その名の通り手とか足とか口とかにブツブツと発疹ができるウィルス性の感染症。登園は様子見との指示。高熱が出たり、ひどい場合は真っ赤にじゅくじゅくしたりするみたいなのだけれど、息子の場合手にも足にも口にもうっすら程度で微妙なところ。熱もないし、元気だし。敏感肌のため、何かにかぶれたのかもしれないし微妙なところ、という微妙な診断で微妙にやっかいな展開に。

わたしは何とかデスクワーク。夫も何とかデザインワーク。
その間で、息子はラボマン小倉優司くんの撮影仕事を眺めたり。
植物の水やりを手伝ったり。
窓の向こうのゴミ収集車やミキサー車を抜かりなく報告したり。
そうそう、車と電車好きな男子街道まっしぐら。
アニメーションより、実写。
いまだにアンパンマンもトーマスも興味なし。
隙あらば「ぱわわぷたいそう」(fromおかぁさんといっしょ)を踊っていたい。

そんな世界を、今日もごきげんに謳歌している。

mogu camera(大阪市西区土佐堀2丁目。ごきげん開店日は水〜土)

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郵便受けからフレーバー

どうしたことか、我が家の郵便受けはよい香り。

ある時は、靴職人の彼女からハーブティブレンドが。
ある時は、画家の彼女から「カラフルな珈琲豆」と題した水彩画が。
ある時は、みしんの子の彼女から息子向けのダボダボパンツが。
ある時は、写真好きの彼女から手づくりのバックが。

どうしたことか、はがきに手紙、郵便受けはいつも忙し気。
励ましエールが手に取る形でやってくる。

今日はハーブティから「疲れ目にやさしいブレンド」を1杯。
ところが。それも束の間、保育園から「お急ぎお迎え」コール。
まさかのブツブツ。
こんどは”手足口病”がやってきた。

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