みしんの子さんとサンプル撮影

みしんの子さんにモデルをお願いして、この秋のワークショップ用サンプル写真(作例写真というのかな)を撮らせてもらった。松山ではポートレイトの撮影についてお話するので、あらためてKLASSEを使って、約100枚。ランチ風景をイメージして一階の喫茶店カルチェラタンさんにサンドイッチをデリバリーしたり、スタジオの白をバックにしてみたり、スタジオを出たお向かいの壁を使ってみたり、グリーンをバックにしてみたり、小さな範囲でアグレッシブに。痛めた腰をカバーしながら。といってもKLASSEは電池込みで276g。いつもの機材に比べると「ヘ」でもない軽さなので、心も腰も軽やかに。軽いって、切実。軽いって、ス・テ・キ。

午前11時半。みしんの子さんとその子さんのお二人を迎えに道路に出たら、山盛りのみしんの子作品を自転車に積み上げて走ってきてくれていた。目下、編み物に夢中のみしんの子さん。「編み物風景も撮ってほしいな。」とリクエストも頂いたので、秋冬毛糸を転がせたりしてみたのだった。リクエストってとっても嬉しい。いまのその人のそのままが写し撮れるチャンス。写真が、「スナップ」から「ポートレイト」に変わるひとつの瞬間でもあるからだ。そんなアレコレを確認できた事にやたらと感動してしまって、必死にみしんの子さんに話しては、一緒に喜び合っていた。

前にも書いたのだけれど、みしんの子さんはもともと東京でバリバリのカメラマンアシスタントとして働いていた。ご縁で大阪に来て、結婚して、仕事にひとつ区切りを付けて、子を産んで、いまはバリバリの母として創作活動をしている。有名写真家さんの元に付いていたことや、海での苦しい体験、重くて重くて仕方ない機材の運搬、こだわりのカメラの話などをサラっと話してくれたりするのが、わたしはいつも密かに楽しい。そんな彼女からはあ の日に戻りたいというような話は、ない。根性キマってるかっこよさが、いつもそこにある。わたしはきっとそんな姿を撮りたいんだと思う。

彼女は最後にこだわりの古い蛇腹式のポラロイドカメラを自分のバックから取り出して、アリガトウと一枚撮ってくれた。いつのフィルムかも分からない、セルフタイマーも曖昧で、露出もだいたいで。仕上がった写真は淡いモヤモヤのピンク色をしていた。撮れてないに限りなく近い、だけどしっかり撮れてる写真。それもひとつのポートレイト。
この日の続きは10月の松山「Days and Colors」で。

みしんの子(新作ぞくぞく。今年の秋冬はカラフルぞくぞく。)
Days and Colors(2011年10月23日開催のワークショップ。参加者募集中!)

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