段ボールの中の青春

再び京都の実家。ずっとほったらかしだった2階の片付けへ。
アレルギーが出ぬよう、完全防備で。

きっかけは来週からはじまる実家の改修工事。築90年近くの洋風町家。瓦屋根の葺き替えや外壁内壁の修復にはかなりのパワーがいるようだ。頑張ってくれる両親のためにも、ちょっとでも協力せねばと急に力が湧いてきた。ひとり暮らしをした事もなく、27年間一歩も離れず暮らしてきた実家には、どうしても捨てられなかった青春の破片が段ボールの中にゴロゴロしていた。主に、学生時代に書きためた言葉や絵。写真。必死に勉強していたノートや文献、図書館でコピーした資料。それから、それから、好きな人からもらった手紙。はがき。写真。あかんあかん、きついきつい。きっついわーと言いながら、片付けをともにしていた妹と二人でキャーキャーワーワーゴロンゴロンと、ひっくり返っていた。ここは姉妹部屋として2人で使わせてもらっていた場所ゆえに、時折モノが交錯する。モノだけでなく、何でも共有していた二人の記憶まで交錯する。

結局、痛々しいのはまたしても捨てられず、より厳選されて1つの場所に集まった。時が経てば見れるものになるかというと、そうでもないようで、むしろ増す。あの痛々しさはもう2度と戻ってこないし、もう2度と同じことはない。だからむしろ、またいつか見てみたい。またいつか妹とゴロンゴロン、転がりたい。一瞬だけ、あの日々に戻りたい。泣いて笑って励まして、一緒に育ったあの日々に。

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