奏ではじめようこの指で

埃をはらって出てきたその鍵盤はボコボコだけれど、懐かしい匂いを放ちながら美しい音を奏ではじめました。

その風景を撮ってと言ってくれたその人をわたしはあっという間に撮り終えて、そしてその後はみかんジュースを飲みながら世界の細分化についてしばらく話をしていました。障子の向こうから差し込む光はいつの間にか茜色になって、あぁ、おじいさんとおばあさんみたいだねと言い合いました。さて、そろそろ撮りましょうかと言ってから1時間くらいかかるような。そんな風景がもうくっきりと見えてしまった一日でした。

「days」では日々の小さな世界を物語とともにこの親指を使って、そう携帯電話を使って奏でていきたいと思います。

そして「goodbye」ではあらゆる場所に残してきてしまったわたしのサヨウナラすべき世界を、スピードやテキストから解き放たれたフィルム写真によってゆっくりと慎重に奏でていきたいと思います。

days and goodbye.
毎日はサヨウナラ。

はじめます。

100903_124031.jpg

Archives by Month