おまるのふた

自宅の倉庫の入り口に置いていた「おまる」。
誰がしつけるでもなく、急かせるでもなく、ただ、そっと。
そしたらある日、ふたをあけてそっとオシッコしていた息子。
おむつからおまるへ。
動物から人間へ。
進化の過程を目の当たりにしたような。
寝返りした時よりも、お座りした時よりも、ハイハイした時よりも、歩き出した時よりも、爆発的に深いものがそこにあった。
こんなにも素晴らしい感動を、置いておいてくれてありがとう。

浮き足立った2週間。
風に乗って、ご近所さんと一緒に公園中を走り回ったり、お茶したり。
偶然の出会いも、嬉しい知らせも、優しい贈りものも、次から次へと舞い込んで。
桜吹雪の中を、人生のピークかってくらいの幸せの中にいた。

もうメソメソしてらんない。強くたくましく鮮やかに。
ゆっくりゆっくり、ひとつの山、越えていくよ。
家族でなら越えられる。みんなで越えてやる。越えてやるんだから。

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