新緑の時間

散りゆく桜の季節を終えて、新緑から深緑の季節へ。

季節はストップできないけれど、人は少しくらい立ち止まってもよいんだということが分かった日々だった。

前半の大阪でのご近所バカンスでは、母としての時間を過ごし、中盤の実家京都では母であり「母の子」である二重の時間を過ごした。家族に囲まれなが ら食事をし、寝て、車に乗り、電車に乗り、買い物をし、そうしていく中で解(ほぐ)れていく手応えがあったのだった。2回目の入退院からちょうど丸1年が経つ特別な日々。

ここは梅小路公園の「緑の館」。お隣が「梅小路蒸気機関車館」。京都駅から西へ約15分のはずがJRの線路沿いを大はしゃぎで歩く事30分。丁寧に整備された公園内は新緑がハイテンションに揺めいていた。お弁当を持っていれば芝生の上でのんびりとできたのだけれど、母とわたしと子にそんな準備はなく、公園内に設けられていた「グリーンハウス コラボ」というレストランに入った。外食はいつまでたっても緊張する(子が大声で歌い出したり走り出したりしないだろうかと)。けれど、そうならないようにはどうしたらいいのか、そうなったらどうしたらいいのか考えればよいかと、少しは強くなれた。いつだって完璧に、いつだって美しく、いつだって鮮やかになんてできないのだから。

そうしてバカンス後半へ。魂の洗濯を終えていた夫と合流し、向かった先は映画館。子は実家に預け、レイトショーで『バトルシップ』。わたしの魂の洗濯は映画を浴びる事に尽きる。産前までは週に3本はDVDなどでも見れていたのに、今や情けないことに月に1本もままならない。明らかに洗濯不足。問題はこういうところにも転がっていたことに気づいた。そして大阪に戻り、住吉大社へ。何のゆかりもない場所だけれど、大阪にいるうちに一発「おおきに」のお参りくらいしたいと思ったのだった。直線と曲線の見事なバランスで構成された住吉さん。「反橋(そりばし)」を渡り、「翡翠(ひすい)の撫で兎」も触っておいた。いい気を取り込んだ。そうして残りのバカンスも静かに静かに、ただただ一瞬一瞬を見ていただけだった。

次は、夏。

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