森の家へ

保育園のプールに入れるまでに3週間。お絵描きも紙粘土も手を出せるまで1週間。お久しぶりのお友達の家でお友達に慣れるまで1時間。何かと牛歩の我が子を連れての日々は、今日もアクティブに続いている。抱っこから地上へも定着してきたし、牛歩かと思いきや、時々ハヤブサのフェイントも挟み込んでくる3歳1ケ月の陽気な夏。

これは少し前のある日のお話。そんなわたしたちの色味をよくよく知ってくれているみしんの子さんが、満を持して連れ出してくれたのが、ここ。大阪西区の向こうの方にある、ひとつのお家だった。たくさんの植物が、茶色の一軒家の内と外をあらゆる角度から包み込む。乾いた植物も湿った植物も、花のあるものもないものも、それらはいろんな命を持って。まるで森の中。時々射し込む光は、木漏れ日のよう。

森の家の主は、先日”森の中の誕生日会”ではじめて出会ったneccoさん。美容事にもう15年ほど携わりながら、6歳と3歳の姉弟の育児とさらにはバックや洋服などの手仕事までを全力で駆け巡るお母さん。夕食作りはあっと言う間で、テーブルは野菜のお料理で埋め尽くされ、絶え間なくソーダにお茶に珈琲がサーブされ、おやつは手づくりのパン、お風呂遊びに花火までさくさくと。そのおもてなしの技の多さ、そのパワフルさに初めは熱吹き出るほどに圧倒されて(本当に熱出た)、心臓がドキドキ。森の家の中で育った姉弟の、野性味あふれる動きにも、目が点に(写真左が 森の家の可愛いい男の子。パンツ…)。

仕事と、家事と、子育てと。それに加えて手仕事と。
そうした暮らし作りへのはエネルギーは一体どこから湧き出てくるの?

と、台所で自家製の梅ジュースを入れてくれている彼女に思わず聞いてみた。しかし彼女はフフフと笑いながら森の中に隠れてしまうように、「そうでもないよ。」と言うだけだった。そんな彼女の後ろ姿。その肩にはサロンパス2枚が寝転んでいた。森の中の素敵な主の肩にベージュ色のサロンパス2枚が、ハの時で並んでいるのである。最高に魅力的。お洒落でかっこよくて素敵で、それでいてちょっと泣ける部分がこぼれ落ちているんだから。

森の家の姉弟もまた、そんな魅力をたっぷり染み込ませている。野性味溢れる勢いの中に、時折見せてくれる繊細な心の動き。何かと時間のかかる息子の横に、何も言わずそっと横に居てくれる弟くん。大切な木のおもちゃをじっくり触らせてくれるねぇねちゃん。子どもが子どもを待っていてくれる。 なんと幸せな風景。森の家に集まった子どもたちは、そうしていつの間にか互いに安心感を得て馴染んでいくものがあった。その時、家の木々が動いたようにさえ思えたのだった。

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