デザインが生まれる状況を

今日はというと初めて息子を連れての実家族旅行で琵琶湖の湖東に来ている。取り合えず着いてほっこりと昨日の事を思い返しているところ。

大阪・住之江の名村造船所跡地で開催中のなんともスマートでクレバーなデザインプロジェクト「DESIGNEAST01」にお邪魔してきた。関西なのに、EAST。なぜ。なるほど。という小さな気づきから出発させてくれる。辺鄙で鉄鉄したかんじの場所で、最初は恐る恐る入ってみたのだが、駅の出口から会場入口、そしてメイントーク会場までへとスムーズでスマイリーなナビゲーションで一気に気持ちがリラックスしたのだった。こんなに気持ちのいいボランティアスタッフが会場を構成しているというだけで、「それ」は間違いないのである。パンフレットの中にあった「デザインが生まれる状況をデザインする」という言葉がそうした人一人から滲み出ていた。ゲストスピーカーのお一人、グラフィックデザイナー三木健さんもおっしゃっていた。企画者たちが徹夜でひっちゃかめっちゃかもがいている姿こそが次世代の人に響いていると。デザインそのもののお話より(いやそれはもうめちゃくちゃ面白かったのだけど)こういうことがわたしにも1番響いて来たくらい、場所全体を本当に真剣に考え抜いてこられたのだなと深く感じ取った。

「ソーシャル・サスティナビリティー / 持続可能な社会」をテーマにされた今回、10年目が来たときにはもしかしたらこのプロジェクトユニットにこそグッドデザイン賞なんじゃないかと思ったりもした。

ただひとつ、ひとつだけ。あるゲストスピーカーがお酒飲みながらのトークショーはやっぱり十歩くらい引いてしまった。だってあんまり素敵じゃないもの。でもそうした状況さえも企画者でありモデレーターの彼等は冷静で真面目で紳士的だったな。それこそ、状況をデザインされていた。

帰り道、会場の階段通路を譲って下さった一人の女性と駅のホームで偶然出合った。とてもよかったですよねと、自然に言い合ってお別れした。普通の事なのに、昨日は妙に嬉しかったのだった。

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