マフラーを巻いて出かけよう

季節は進んで冬のよう。今日のような冷たい風が吹くのに先駆けて、アトリエにひょっこり届けてくれた手づくりのマフラー。息子用とわたし用にとチクチクと。春は指人形からスタートして、夏はチューリップハットにニッカポッカにリュックサック。秋には保育園スモックまで作ってくれた。元カメラアシスタントのプロだった彼女は、いまは一児のお母さんとして、そして勝手ながらわたしの心のアシスタントとしてもいつも大活躍してくれている。

そう。30を越えて、子を生んで、心は大きく穏やかに。がイメージだった。全く違った。そんなに全部はうまくはいかず、おちょこぐらいの器の中でもがいている。毎日毎日もがいている。それが現実だった。

そんな混沌としたわたしに先日、編集者の青山ゆみこさんはオフィスの片隅でしみじみと一言おっしゃってくださった。「時期ですよ。時期。」と。そしてアトリエのみんなに後押しされて、週末は中之島で誌上講師させて頂いたり、お母さん向けのプチ撮影会を開いたりと、少しだけいつもと違うことにトライしてみた。この「少しだけいつもと違う」が実は今のわたしにとっては「とてもいつもと違う」のであって、まだまだこれから研究しなければならない。はじまったばかり。という今までになかった感覚がようやくみなぎってきたのだった。

マフラーを巻いて出かけよう。
そしてどこかで待とう。この時期を。

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