揺れる地面

東北地方太平洋沖大地震。11日午後2時46分。大阪にその揺れが来たのは午後2時54分。早い。地震からたった9分で大津波が来た(到着までは約30分)ということがすごくよく分かる。わたしはあの瞬間、南堀江にいた。家具のリサーチ中だった。住まいの空間撮影を多く手がけるようになって、時々こうしてショップを巡る。明日で移転される照明器具店「flame」さんのショールームからロングライフデザインショップ「D&DEPARTMENT」でランチを経ての移動後すぐだった。家具屋はちょっとの揺れでもかなり恐怖ということも、ここではじめて知った。天井からは照明器具がバンバン降りている上に、ガラスものの家具が所狭しと並びいつ倒れるかわからない。ゆえにスタッフのみなさんと一緒に道路の真ん中まで一目散に避難したのだった。そして、すごく「イヤ」な気配がして、みなで「何か大きな地震が日本のどこかで起きていますよね。これは。」といいながら胸を押さえた。そこにいた人たちはみな阪神淡路大震災を身近に経験していたから、直感がすぐに働いたのだと思う。地震はいつ何時も、もう全く人ごとではない。恐ろしい。

すぐに心配になったのは、息子のことと、仕事場の現像機のことだった。

精密器機である現像機は揺れにはもちろん弱い。築34年のレトロなビルの3階で横には川。なかなかにハードボイルドなところに位置している。夫の携帯に電話するも、繋がらずどきっとした。しかし、それはしっかりラボマン小倉優司に守られていた(というか、むしろふだん通る大型トラックの方が揺れを感じるそうだ。いや、それも怖いのだが。それでもこの2年大丈夫である)。

そして息子。お迎え時に、その時の様子を聞いた。園児たちはもちろん「?」ということだった。ちょうどおやつの時間で、それを切り上げる方が大変だったとか。そうして、一番強度の高い壁側にみんなで玉になって先生が守ってくれていたそうだ。

左の写真は、我が家の天井。出かける前に照明器具を吊るす「引掛ローゼット」の形状を撮影していた。地面が揺れたら、照明器具にも要注意。たとえそれが小さくても。それより何より、今はとにかくひとりでも多くの命が救われることを願うばかり。東北の”今”を想うと胸が痛い。

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