考える時間

即答していた。「今夜、泊めてもらってもいいかなぁ。」と千葉県に住む友人一家からのメール。地震の後から安否やその後の暮らしについて時々メールをしては、これからの事を少しだけ一緒に考えさせてもらっていた。自宅は無事ながら、裏手の道路は液状化してガタガタ。1歳9ケ月のhanaちゃんが遊ぶ公園にも出にくい毎日なのだ。三連休に合わせて、おばあちゃん家のある島にいわゆる「疎開」をするかどうか。ちょっと早い春休みと思って、少し出てみるのもいいかもねぇなんて話していたところだった。その経由地にしてもらえるならば、と。もう次の瞬間には台所でトマトスープを作っていた。もう一人の田舎のおばぁちゃん気分。身体をあたためてあげたかった。

しかし一家は急遽ホテルの空きが出て、我が家のすぐ近くに泊まってくれた。
そして次の朝、一家は我が家に来てくれた。
スーツケースと、そしてお腹の中には新しい命を抱えて。

撮影モデルで我が家に来てくれたあの日や、大阪から千葉に転勤になって引っ越し前日の夜までピザパーティーをしたあの日から約1年ぶり。一緒にモデルになってくれた近所のrunoちゃん親子やkogikuちゃん一家も、一気に集まってくれての軽快なスープパーティーとなった。「今日で今日」のような出来事。ものすごいフットワークで移動できるみんなに、わたしはただただ感動していた。

全員でソファに座って記念写真を撮って、そして一家は答えを出して、再び千葉に帰っていった。たった3時間の出来事だった。一度出て、考えながら、移動する。それはこの非常事態について考えるひとつの在り方なのかもしれない。その時間を共有できたことに、深く感謝。息子は何かを感じたのだろうか。お別れのその時、hanaちゃんにそっと近づいて「タッチ〜」と言ってハイタッチしていた。驚いた母たちは、最後に大きなハイタッチをして、この大切な時間にサヨウナラをしたのだった。

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