ぼくらは出会った

23日、息子は2歳になった。

朝から夕方まで携帯電話には数々のメッセージを頂いたにも関わらず、わたしはケータイも家の鍵も保育園バックに忘れたままの半日を過ごした。ロッカーの中でひっそり祝福を受け取り続けていたのかと思うと、それはそれで嬉しく幸せを感じた。そしていつもより1時間早く迎えに行き、まだ光のあるその1時間を使ってアトリエで記念写真を撮った。

2年前のあの日々は今でもくっきりはっきり覚えている。臨月前は戦闘モードで、なぜか『北斗の拳』の一時期の主題歌「TOUGH BOY」(TOM☆CAT/1987年)が聴きたくて、すぐに持ってきてとオグラユウジくんに頼んだ。そして本当にすぐ持ってきてくれた。そして本当に歌詞がよかった。臨月に入ってやっと己の身体が理解できてきて、早く出てきてほしいというよりは、まだまだこのままという気持ちでいっぱいだった。ついに待ち人の合図が来て、早く病院に入らねばならぬのに、駐車場では「いやだ」と泣いていた。
もう予定日から10日も経っていたのに。

待ち人をはじめて抱えた瞬間わたしの口から出た言葉は。
「デンジャラス!」だった。
そしてあまりにも動物的に、天に向かってガッツポーズをしていた。
感動とか、涙とか、そんなふわっと柔らかいものではなかった。

あれから2年。
やっとやっとあの日々にグッドバイできはじめている。
2年ぶりに「TOUGH BOY」が聴きたくなったのだから。

23日の夕暮れは、今年もまたうっすらオレンジがかった夕日が射し込んでいた。

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