めくるめくモダンバレエの世界へ

昨日の大阪は暴風警報が午前9時時点でも発令。よって保育園は休園。急遽やってきた二人で過ごせる時間がむしろありがたかった。というのも、三連休明けの園の送り時、かつてないほどの泣きっぷりと「ガァ〜ガァ〜!」と(かぁか行かないでという感じの)すさまじい雄叫びに後ろ髪引かれまくりで、わたし自体がパツンパツンになってしまっていたから。

さて、そんなに泣いてしまうくらい、三連休何がどうだったのか。

場所は1ケ月ぶりの京都。「祇園祭」そしてわたしの妹の「バレエの発表会」、そして「フレンチレストランでのランチ」である。非日常的なめくるめく世界を堪能した2歳児はおそらくかつてないほどの「祭り」だったんじゃなかろうか。

祇園祭やフレンチはともかく、バレエってなにさ。
バレエと言っても妹の所属する「宮脇翠舞踊研究所」は京のモダンバレエ界のパイオニア。クラッシックバレエから派生した、トゥーシューズをはかない新しいステップと創造性を取り入れたバレエである。故・宮脇翠先生は故・石井漠先生(大正時代にヨーロッパやアメリカでモダンダンスの研究を経て日本で広めた先駆者)を師に持ち、独自の創作作品を数々残した京都市芸術功労賞の初代受賞者(昭和50年)。「モダンダンス」や「現代舞踊」などと呼ばれているけれど、その歴史はじわりと古典化し、今回の演目にもあった「希望」「コンチェルト」といったラインナップはもはや文化財。宮脇翠振付バージョンの「ボレロ」や「ラプソディ・イン・ブルー」などもその域に達している。などと”勝手に”思っている。

そんな独特の世界で妹は3歳から紆余曲折を経ながらもかれこれ20数年間、踊り続けている。まったく別の仕事を持ちながら、踊りの創作もしている。それを2歳児は親子ルームという防音室から見ていたのだ。固まりながら、しかししっかりと。そして最後には拍手を。帰りの車の中ではついに手をヒラヒラさせて踊っていた。

そして何を隠そう、このわたしも、このめくるめくモダンバレエワールドで約15年間ステップを刻んでいたというのだから、驚きだ。ラプソディ・イン・ブルーも、そしてボレロも。

話は少し逸れるが、ボレロといえば、モーリス・ベジャールの振付作品が世界的には有名になっている。それがこの秋、100年に1人の逸材と言われるバレエダンサーのシルビィ・ギエムによって復活する。妹はしっかりとチケット2枚を確保し、「アネさん、行こうではないか。」とお誘いの声。病床の淵でチケットゲットなどあきらめていたわたしは、瞬時に飛び上がっていた。祭り再び。舞い上がっているわたしたちを横に一緒に喜ぶ息子だった。

台風のように去っていった、大騒ぎデイズ。
ぽっかり放り出されたら、誰でも泣きたく、なるよね。
園ではあの手この手でなだめて頂き、結局はダンススタジオ(鏡ばりのが地下にできた!)へ踊りに連れられるとともにピタっと落ち着いたとのことだった。

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