パスポート写真は真っ直ぐに

はじめてパスポート写真を撮らせて頂いた。ご依頼は1歳8ヶ月の壮ちゃんさん。壮ちゃんさんも人生初ならば、わたしも人生初。パスポート写真の細かい規定などを下調べしてアトリエでお出迎え。

日曜日の撮影は久々でうっかりアトリエの鍵を忘れて引き返して汗を倍かいて向かっている道中が何ともよかった。海越え山越え国を越え。その時間をひっそり支える大事なもの。パスポートについて考えることができたから。

午前11時の光はまだまだクリーンだった。

自然光の中でこちらを見てくれる壮ちゃんさんの目のキラキラにうっとりする間もなく、シャッター2枚目でOKカット。旅好きのお母さんも二枚目でOKカット。もうその目にはハワイが浮かんでいた。

写真はそんなひとときの終わり頃。壮ちゃんさん。

いってらっしゃい。どこまでも。

100905_115530.jpg

ただいまは午後5時半

住まいの撮影で千里中央へ。京町堀の「アートアンドクラフト」さんが手がけられたリノベーション物件の数々を昨年から記録させて頂いている。とびきり暑かった今日はお住まいに到着してすぐに冷たい麦茶を頂いた。撮影前にお茶を頂けるなんて。いつもとほんの少し違う流れが嬉しいひと時だった。

2時間の撮影を終えてコトコト電車に乗って帰ってくると、おでむかえはカァカ、カァカの呼び声から。

カァカはどうやら母ちゃん=わたし。今日はトトさんと長居の自然史博物館でナウマン象の歯型を一生懸命触ってきたという一歳二ヶ月のヨチヨチ歩きさん。カァカをいつもよりちょっと多めに発してくれていたような。気のせいかな。

100620_180047.jpg

奏ではじめようこの指で

埃をはらって出てきたその鍵盤はボコボコだけれど、懐かしい匂いを放ちながら美しい音を奏ではじめました。

その風景を撮ってと言ってくれたその人をわたしはあっという間に撮り終えて、そしてその後はみかんジュースを飲みながら世界の細分化についてしばらく話をしていました。障子の向こうから差し込む光はいつの間にか茜色になって、あぁ、おじいさんとおばあさんみたいだねと言い合いました。さて、そろそろ撮りましょうかと言ってから1時間くらいかかるような。そんな風景がもうくっきりと見えてしまった一日でした。

「days」では日々の小さな世界を物語とともにこの親指を使って、そう携帯電話を使って奏でていきたいと思います。

そして「goodbye」ではあらゆる場所に残してきてしまったわたしのサヨウナラすべき世界を、スピードやテキストから解き放たれたフィルム写真によってゆっくりと慎重に奏でていきたいと思います。

days and goodbye.
毎日はサヨウナラ。

はじめます。

100903_124031.jpg

Archives by Month