WORK『KOBE MAP FOR NOMAS』

年始早々に、パツパツになってきました。
現在5プロジェクトほどの案件が同時進行中。常に頭の中は次のイメージ作りと研究でいっぱいです。
昨日は初めて「公用車」というもので送迎してもらい、そしてドアを開け閉めしてもらい、現場から現場へと移動を続けていました。何と言う待遇でしょう。とはいえ、一歩外に出れば極寒の山のほう。胃も背中も冷えきり復活までにしばらく時間を要してしまいそう。とりあえずカイロを貼って移動し続けています。

前置きが長くなってしまいました。

神戸R不動産のFREE MAP『KOBE MAP FOR NOMAS 移住者のための地図』のお仕事をさせて頂きました。
神戸に移住を考えている人や、居住先や仕事場を考えている人へ。
神戸の街を山と海とその空気で紹介する新しいカタチの地図です。
折り畳まれた地図をどんどん開くと横幅1mくらいある大きな地図に変身して、ぐぐぐっと来る言葉の数々が降り注ぎます。
この言葉がわたしにはまさにいま、響き倒しています。
だってキャッチコピーが「スポーツを楽しもう」ですもの。

実はこちらの撮影は昨年のちょうど今頃だったのです。
発行は2013年の3月25日。

極寒の六甲山の上のほうへ、この時は企画者のお一人で神戸R不動産の小泉寛明さんのワイルドな車で登らせてもらった。小泉さんはこれまでの10年間で東京〜大阪〜伊豆〜ロサンゼルスの中を25回も引っ越しを繰り返してこられたツワモノ。車中で聞くお話はワールドワイドすぎてよく聞き取れなかった。

下見の日は豪雨と暴風で、命の危険さえ感じたこちらの物件。
全く下見にならなくてどうしたものかと思っていたら、撮影日には快晴となり見事に山から港までを眺めることができたのでした。
表紙に書かれたコピーは「これが仕事場の窓からの眺めです」。

デザインは神戸のトリトングラフィックスの松岡賢太郎さん。
ご一緒するだけで楽しい気持ちになれて、笑顔になれる方。
この膨大な情報と空気感を素晴らしいテクニックとお心でまとめあげてくださった。

編集は東京から東京R不動産の安田洋平さん。
地図作りへの愛が半端ない安田さんから湧き出る言葉と熱。
約9年前、書籍『東京R不動産』の取材で30件近くをともに移動させて頂いたあの日々から、全く変わらなかった。

こちらの地図、気分も中身もいまもまったく色あせず各所で配布中。
送ってほしいなという方はこちらをご参照ください。
mogu cameraでも配布しています。
「空気、自然、スポーツ、家族などを重視して居住や仕事場を考える」すべての人に、ほんとにおすすめです。

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暖炉のあるおうち

仕事がはじまりました。
息子は保育園がはじまりました。
今日は一日データの中に埋もれて、納品作業。
明日はアートの取材から撮影がはじまります。

奈良のお話をもう少し。
2日目はまた場所を移して、今度は古墳の近くの暖炉のあるおうちへ。
ここは93歳のおばぁちゃんとその一家の別邸。
暖炉の煙突の横には木だけでできた渡り廊下が走っている。
この空間を挟むように、右手には若草山を望むための展望室、左手には美術工芸品のコレクション部屋。
一階の右手には茶室。渡り廊下空間のリビングとグランドピアノの間を挟んで、左手にはキッチンとダイニング、水回りと客間が3室ほど。
建築家さんがさまざまな木材を駆使して建てられたこだわりの空間が点在する。
訪問するたびに木々の経年変化を楽しませてもらっている。

毎年ここへ夫側の親戚一同、1歳から93歳まで18人が集結する。
今度はアマゾン系の甲高いお声が響き合う。4歳さんが3人もいると暖炉のあるおうちは熱さを増す。
おちおち座ってもいられない。
今年は”やかましい”を超えて、もはや”聞こえない”世界へ。
方やご高齢たちは補聴器のボリュームを下げておられたのか、いつもの朗らかさ。
わたしの耳にもボリューム調整器がほしいものだ。
そんな中、息子は人の多さに完全にフリーズしてしまい、一歩も下に降りず仕舞には客間のベットで寝てしまった。
走り回る小さな猛獣たちがどんなに叫ぼうが騒ごうが関係なし。
アマゾンの中で寝れるってすごい。

抱っこから解放されたわたしは、93歳のおばあちゃんから「柿なます」の作り方を伝授してもらっていた。
あまりにそのお声が優しくて、これは文字にするでもなく、写真やビデオでもない、音で残さねばと思った。
そこで「もう一度はじめからお願いします。」と伝えて、iPhoneのボイスメモを起動させた。

6分26秒の肉声。
アマゾンの雄叫びの狭間で、風のささやきのような音声を記録することができたのだった。

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奈良、池のほうへ

大阪に帰ってきました。
ポストに届いていた年賀状を一枚一枚嬉しい気持ちで拝読。
ブログを読んでますよ見てますよと、あらためて頂くお言葉に感謝。
またメリメリと勇気とやる気が出てきました。
そして、かるた遊びにまた本気出しすぎて、息子に大泣きされました。

少し時を戻して、お正月。
京都で過ごした後、次は奈良へと実家巡りは続いた。

奈良の夫の実家には義兄一家も帰省しての大所帯。
京都の静けさから一変しての、ラテン系いやサバンナ系と言いたいやかましさ。
やかましすぎて、義母と同時に「ちょっと静かにして!」とはもってしまうほど。
だけどこれも数時間もすれば慣れてしまい、やかましさも心地よいものへと変化するから不思議なものだ。いや、心地よくはないぞ。気になる度数がちょっと減るくらいだ。

外に出れば少しは落ち着くかと思い、義父について池のほうへウォーキングすることにした。
こども達もはりきっていた。目指したのは菖蒲池(あやめいけ)。

2004年に閉園した「近鉄あやめ池遊園地」の跡地は、池をぐるりと囲むように「近鉄あやめ池住宅地」として開発が進められていた。2010年には近鉄菖蒲池駅前には便利なスーパーができたし、近畿大学付属の小学校と幼稚園、結婚式場やレストラン、メディカルセンター、そしてマンションと分譲住宅が次々と建ち並んだ。こんなに大規模な入れ替えというのに、池と緑が心地よいリズムで残っていたのが印象的。78年間の遊園地人生を終えたここの土に、不思議と無理のない感じ。広場には遊具などなく、あるのは土と木だけ。なんとなく起伏のある広場。更地にしてなくてそれがまたいい感じ。こどもたちはボールひとつで1時間近く走り回って遊んでいた。この広場は遊園地の時に動物園だったところだと義父が教えてくれた。

とても穏やかで落ち着いた奈良のひととき。
この後また、サバンナへと戻るのだった。

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はじまりは宇宙から

京都の実家より、あけましておめでとうございます。

昨年は家の引越しや日々の業務にいっぱいで、途中なかなか言葉が出てこず更新が進みませんでしたが、旅以降軽やかな気持ちで日々をお伝えできるようになってきました。それもこれも、「読んでますよ!見ていますよ!」という応援や声援があってのことでした。お手紙やメールを頂くのも、なんとも嬉しく励みになっています。今年も全力かつ軽やかに出し切っていきたいと思います。末長く、よろしくお願いいたします。

早速ですが、行ってきました毎年恒例の元旦映画鑑賞。今年は2本立て。

1本目は実家のお向かいのおじさんおばさん家での子連れシネマ鑑賞へ。リビングいっぱい広がるシネマスクリーンに映し出されるApple TV。そこから映画をセレクト。今年は息子が『バグズ・ライフ』(1998)を選んだ。アリ軍団とバッタ軍団の小さいながらも大きな格闘の世界を描いたピクサーの初期作品。死の表現もあるので、ハッピーな幼児向けという感じではなかったものの、普段から森や林で昆虫観察をしている息子にはショックもなく、自然のサイクルとしてむしろ納得していたように思った。

お向かいのおじさんはただいま75歳。ポンピドゥーセンターに作品が収蔵されているほどの、元映像アーティスト。わたしは10代の頃からここのシネマスクリーンを観て育った。見せてもらえたのは世界各国の単館系映画に映像。年々バージョンアップされる自作のサラウンドシステム。そして「Apple社のある時代に生きれてよかった。」とおっしゃるおじさんの感性の横で、またこうして新たなスタイルで映像体験できることが、この上なく幸せであった。

そして2本目は息子を父と母に預け、夫と妹とともに12月公開の『ゼロ・グラビティ』を観に映画館MOVIX京都へ(※以下ネタバレ有り)。

無重力の中での生死紙一重の世界。
重さ、強さ、速さを視覚からMAX体験できる3D映画だった。登場人物たった3人。しかも開始10分くらいでまず1人が、そして30分くらいでもう1人がサヨナラされる。実質ほとんどサンドラ・ブロック演じるライアン博士のみが無重力と死の狭間で闘うお話だった。いや、もう、疲れたよ。ドン疲れたよ。息止まるわよ。「宇宙なんて、大嫌い!」よ。何がよかったって、吹き替え版にしておいたことよ。あれで字幕読んでたら完全に酔って吐いてたよ。

と、興奮と重力を全身に浴びながら、新京極から三条通りを歩いた。そして烏丸通りを渡り大垣書店に寄ってお土産に「江戸いろはかるた」を買って帰った。

夜はカルタ大会となり、母との激戦に突き指するくらい出し切って、2014年の元旦がようやく終わった。

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