北海道、旅のおわり

昨日は神戸の山のほうへ。
今日は京都の山のほうへ。

今朝は山入り前に5時50分から写真作業、誌面校正、メール処理をしていた。昨夜はどうにも力尽き果ててしまい、朝早く起きてみたのが新鮮で、なんだか良かった。いろいろ間に合った。

そんな中でまたテレビの話で恐縮なんですが、昨夜のEテレの福祉番組にマツコ・デラックスさんが出ていた時のこと。画面全体に広がるそのお姿を、こどもがじーっと眺めていて、何を考えているのかなとわたしもじっーと眺めていたら、満を持して出てきた言葉が「おとうさんも、デカいんちゃうか。」でした。そうキましたか。確かに、デラックスのお父さんはどんな方なんだろう。

それにしても今日の京都は寒過ぎた。ほんとに北海道より寒かった。 今日こそ上下ヒートテックで大正解だった。

最後に、ヒートテックいらずの北海道の旅のお話をもうふたつ。

ひとつめはカフェ。10時間寝込んで、朝食も間に合わず大慌てでチェックアウトをしてお腹がペコペコで、気になっていたお向かいのブックカフェ「ひかりや」さんに入ってみたこと。お店は半分が民芸品屋さん(蛍光灯な感じ)でその半分がカフェ(白熱灯な感じ)になっていた。ピザとハニートースト、ロイヤルミルクティーが美味しくてスカスカのお腹が満たされた。カフェの本棚は店主さんのご趣味というサブカルと西原理恵子さんの本がギチギチに並んでいた。その「片寄りっぷりが素敵ですね。」と言い残してサヨナラした。かなりオススメ。また行きたいな。ほっこりしすぎて帰りのタクシーもバスも全部ギリギリ。しかし無事に新千歳空港へ到着してフライト時間までをさらに楽しむことにした。

それがここふたつめ。ラインナップ濃厚な空港ビルの3階。ロイズチョコレート工場&ショールームを抜けて、ドイツ生まれの「シュタイフ」という高級ぬいぐるみメーカーのショールームへ。一体一体実物大に型を取り、骨格から肉付きまで研究されて製作されているもので、象などの大きいものでン百万するらしい。こうして一挙に触れられる場所はドイツ国内以外、世界初らしい。熱いな北海道!だけどだけど何かがちょっとひっかかる感じ。展示が美しすぎて逆に余白がない感じかな。比較して思い返してみると、阪急梅田本店の10階雑貨売り場「うめだスーク」の一角に数体展示されているオーストラリア生まれの「ハンサ」のほうがはるかに煌めいていたし、生きている感じがしたし、こどももガンガン触りに行っていた感じがする。キリンにライオン、ゴリラと、みんなそこはかとなく荒々しい。なんでだろ。そうかあそこは天井も吹き抜けて、広々とした空間に居たからか。ぬいぐるみでもとても気持ち良さそうだったなぁ。ここのぬいぐるみたちももう少し広いところに移してあげたいなぁ。とおせっかいになってしまうほど、丁寧に大切に作られた動物たちだった。表情も温和で、優しいみんな。がんばれみんな!

自然はどうやら少し雑なくらいが、ちょうどよいみたい。

そんなふうに感じた旅のおわり。ありがとう北海道!

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湯あたり

すみません、今日もテレビ見てました。

昨日から『SWICTHインタビュー達人達』(NHK総合)にのめり込んで一気に録画4本見た上に今日も2本ほど。しかも思想家の内田樹さんご出演の回があったことに気づいて焦りながら。わたしとした事が録画一覧から見落としていたのだ。内田先生はTVのご出演は今まで頑なにお断りされていたのだけれど、オファー元が対談者の能楽師・観世清和さんだということで非常に珍しくもお引き受けされたとのこと。この映像は貴重すぎるので速攻永久保存へ。そしてほぼ正座して1時間画面にこびりついて、お二人のお話を聞いていたのだけれど、途中であれ!?と、見たことある写真が3枚ほど映し出され、思わず一時停止。3回巻き戻して確認してみると、わたしが撮った写真だった。内田先生が神戸女学院大学で教鞭を取られていた最後の時代の授業風景。こんなに光栄なことってあるんだろうか。びっくりしてその後、寝込んでしまった。

そう、実は登別でも寝込んでしまったのだった。

谷歩きの日のこと。午前中、夫は仕事のプレゼンテーションで朝から会議に出ていたので、わたし一人でこどもとともに温泉横の温水プールへと馳せ参じていた。プールなんて十数年ぶり。水着はもちろんレンタルで、昭和アロハな柄のを間違って選択。そんなわたしに容赦なく「かぁか(わたしのことをこう呼ぶ)、あれ滑って~!」とのリクエスト。あれとはウォータースライダーのこと。しかも12回(時計の数字の数だけとのこと)。リクエストしてる本人はわたしが着水するあたりで見物するのみ。螺旋階段を登って、滑っては派手に着水。そんなわたしの姿を喜ぶ子。ついついがんばってしまった。わたし達以外誰一人いない大きなプールで。(こんな感じ

十数年ぶりのプールにスライダー、そしてあのポジティブな谷、そしてそこから湧き出た源泉のお湯へ。

そりゃもう、疲れるよね。
極めつけに温泉のお湯が強過ぎて、湯あたりしまくり。
ここ「第一滝本館」は7種類ものお湯が常にかけ流し状態で、水質も抜群、効果も抜群。北海道の別の地域の方も病気治癒を目的に長期滞在されるほどの、これまたポジティブなお湯なのだった。しかし2泊や3泊そこらで下手に入ると逆効果もあるそうだ。そらそうだ。

次の朝まで10時間寝込んで、朝食も間に合わなかった。

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谷、歩き

今日はOFF。朝からテレビの録画を見まくっている。
今クールは忙しすぎてドラマは録画チェックできず、一覧の中に自動で入っている『プロフェッショナル仕事の流儀』、『情熱大陸』、『ソロモン流』、それからいま1番お気に入りの『SWITCHインタビュー達人達』を4本ノンストップで。編集がいいなぁ。自然でいいなぁ。出演者から生まれている言葉がほんとにいいなぁ。と、ホットカーペットの上で、クッションにまみれながらゴロゴロホロホロしている。

先月は30日中26日間写真の撮影に出て、合間にトークをしたり、インタビューを受けたり、執筆したり、時にテレビ取材を受けたりしてずっとON状態だった。で、そのまんま引きずって北海道に行って、空港着いてもお宿に着いてもやっぱりずっとONで。でも、ついにここに入ってパチッと音がしたのだった。

ここは登別温泉の地獄谷。

じ、ご、く、だ、に。っておどろおどろ過ぎ。
喜喜と進むアウトドアスタイルの夫と子どもの後ろを、歩くの面倒だな、寒いな、硫黄臭いな、とぐちゃぐちゃ言いながらトボトボと付いて行くシティスタイルなわたし。このシティスタイルってのがアウトなんだな。帰ったらわたしもモンベル行こう、山靴買おう。そしたらシュッと出かけられそう。と考えたりしていた。そして、着いて3秒で本気でそうしようと思ったのだった。

谷と言ってもここは1万年前にできた「爆裂火口跡」だそう。”バクレツ”。白いモクモクしているのは湯煙で、登別温泉のお湯を毎分3000リットルも湧き出している、頑張り屋の谷なのだ。

なんだか分からないけど、パワフルでポジティブ。

「あそこ触りたい!」と子どもが言い続ける大地の切れ目からは、黄や緑、白に黒とそれはそれは地獄的な色味のドロドロしたものがこびりついていた。そんな頑張らんでも、と思ってしまう感じ。超ONで、超張り切ってる谷を見て、むしろ落ち着いたというか癒されたというか。

こうして谷入り3秒で、完全リセットだった。
谷がポジティブって、すごいぜ。

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登別のおうち

いい予感的中。

登別のお宿に到着するなり、すぐ近くのとあるおうちにお邪魔させて頂けるチャンスが到来したのだった。
もちろん、カメラを片手に。

一階は車三台分くらいのガレージになっていて、入り口は二階。広々とした玄関を入り、広々としたダイニングキッチンを通過、そして広がる巨大なリビング。もともとは半分が和室だったのを壊して一続きの空間へとリノベーションされていた。その横にはバストイレ、ホテルのような客室が一部屋。そしてカーペット張りの階段を上がる。天井は常に板張り。築40年の歴史を垣間見る土壁の白いペンキ塗装とアーチ型の装飾。この空間を囲むように、子供部屋と寝室、あと2部屋とシャワー室とトイレが並んでいた。暖房設備はやはり大充実。半袖裸足で暮らせるって聞いたことがあったけどほんとだった。
そんなこのおうち。なんとなんとお家賃は大阪のワンルームマンションくらいのお値段。これがミラクル北海道。

とはいえ、大きな家を全面的にリノベーションするのはなかなか大変な事。代々住まわれてきた方の痕跡は残さざるを得ない。そのうえで、いまのご家族のライフスタイルに合わせてところどころバージョンアップされていたのが素敵だった。

初めての北海道で現地の方に暮らし方のひとつを見せてもらえた事。お話を聞かせてもらえた事がとにかく嬉しかった。そんな気持ちを込めて、大きなリビングでご家族の風景写真を残させてもらった。

『世界を旅するように、誰かのおうちを旅したい』
そう言い続けている日々。
ありがたきことに、夢がまたひとつ叶った。

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林のほうへ

空港からさらにバスで1時間15分。

不思議なことに進めば進むほど、こどもの目がキラキラしてきた。
「あっち行ってみたいな。」と言うので、何処かと思ったら、林だった。

空港からお宿まで延々この風景。
なんだか懐かしい風景。
何処だったかなと思い返したら、カナダだった。
妹が昔、留学していたバンクーバーの色味。
母とわたしで会いに行った風味。

カナダには行ったことがあったけど、北海道には行ったことがなかったわたしは目がギラギラしてきた。

ウトウトしている夫と、キラキラしている息子と、ギラギラしているわたし。
いい予感がするぜ。

こうしているうちに、自宅のドアから総計約7時間で硫黄の匂いのする街に到着した。

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北海道よりこんにちは

いま、夫の仕事にくっついて家族総出で北海道は登別に滞在中。

関空から約1時間半のフライトであっという間に、ここ新千歳空港。
人生初の北海道に大はしゃぎ中であります。

雪をイメージして、前日に急遽ABCマートで『積雪4cm防水6時間』というスノーブーツを調達したけれど、特に積雪なし寒波なしのスタート。
京都のほうが遥かに寒い感じ。
やはり雪国だけあって暖房設備の分厚さがそうさせているのかな。
とにかく暑い。むしろ暑い。
インナーに上下着ていたヒートテックがとにかくややこしかった。
ヒートテックをどこで脱ぐかばかり考えていた。

そしてこの写真は、ヒートテックを脱いですがずかしい気持ちの一枚となったのだった。

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2夜明けて

衣装は黒い服でと約束していたのに、赤いワンピースを着て行った23日の夜。

わたしたちが運営する写真とプリント社はおかげさまで5周年。
みなさまの応援と、それからみなさまから大切な写真をさまざまな形でお預け頂いたことがあっての「今」であると、あらためて感じた夜だった。

オープニングは代表のマツカワ氏による「バヌアツ」の旅レポート。
この秋に小倉優司くんたち仲間4人(わたし抜き)で出かけた島での出来事を難し目の説明と軽やかな映像で。
そして本編の小倉優司と平野愛による窓際トークショー「ROOM PHOTO & PHOTOROOM」へ。

この春リノベーション竣工した新しい我が家のことをどうしてもお話したいな!というところからはじまった今回の企画。あれ?そういえば小倉優司くんってどんな家でどんな暮らし方しているの?と知りたくなって、謎多き彼の日常を、つまり家を撮影してみよう!という流れで一気に話しは進んだのだった。よくぞOKしてくれた初公開。お互いの家をお互い撮り合い。そして見えてきたわたしたちの真逆のスタイル。小倉優司くんのものの見方。そうかそうだったのか。とあらためて驚きと喜びに満ちあふれ、自分たちでお話しているにも関わらず、実は実は目からウロコだらけの2時間だった。

めがねかけている人って、常にめがねのフチが世界の中に見えているってこと。そんなことにまで驚いた。知らなかった。大変なことだなって思った。すごいなって思った。
それからシロクマのオブジェを使って、小倉優司くんだったらどう置くか、わたしだったらどう置くか。即興でお見せした時のあのグルーブ感はわたしたち出会って17年の中で最高の瞬間だったと思う。
で、だんだんどうでもいい方向をもう少し垣間見せたくて、洗濯の話になった。洗濯はいまわたしが一番力を入れているところで、リノベーションの際にランドリールームを作ってもらったほどで、洗剤は何を使っているの?って流れになって、わたしの長年の研究結果「アリエールとレノアのフレッシュグリーンであります」と発表してしまったのだった。テンション上がりすぎ。2夜明けて急に恥ずかしくなっている。

休憩の時間に、マツカワ氏には「家のはなし長すぎ。洗濯のはなし長すぎ。」と指摘を受け、ヘルプに来てくれていたわたしの妹の未来ちゃんには、「おねぇちゃん、1時間15分話してたよ。オーバーしてるよ。」とまたもや淡々とご指摘を受け、おおおおとなっていたのだった。あったかい視線の中に分析的な視線。心強かった。このあたりの連携は来年もバージョンアップしていきたい。そして椅子ももう少し用意したい。定員20名のところ空間マックスお受けして27名。立ち見がかなり出てしまった。座ってもらえなかったのが心苦しかった。窓際も寒かったりで足腰が冷えないか終止気が気でなかった。みながどうか無事でありますように。と願いながら、笑いでカバーしていこうと芸人魂を炸裂させるしかなかった。そうして、みんなのあたたかいムードに助けられ、楽しませてもらった2時間。嬉しかった。ほんとに。ありがとう。

みなさんは、家で撮っていますか? 家を撮っていますか?
このテーマ、またいつかどこかでお話したいな。
いつかどこかで、お話できますように。

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いっぱいの

秋の撮影ピーク終盤。今週は京都の団地へ毎日いっぱい行かせてもらい、金曜日はワークパークというイベントに参加し、土曜日はいよいよトークショーへと突入。絶対に倒れられない一週間がはじまった。

さて、遠足を前に不安いっぱい胸いっぱいだった我が家の4歳。
突破口は練習いっぱい予習いっぱいという前回の記事。
つづきを少し。

秋の遠足は大型観光バスに乗ってのものだった。親子で行くものではないので、お見送りをされる親御さんもいる。我が家はもちろんながら「お見送り」なんてセンチメンタル大爆発な(子ども時代のわたしがそうだった。お母さんにもう会えなくなると思っていやだった)イベントを挟み込むわけにはいかないので、淡々といつも通り夫が連れて行き(すぐ出る段取り)、わたしは家玄関横の窓から手を振って、エレベーターが降りるのを確認し、 窓を締めることにした。

じゃあ実際の遠足はどうだったのかというと、それはそれはもう、お察し通り。その場に1歩踏み込めば一瞬で勇気と自信いっぱいに変わるのだ。春、夏のイベントを経て分かってはいたけれど本番には強烈に強いそう。泣く子がいるほどの吊り橋も渡るし(YouTubeで予習済み)、芋は先生の手を借りるほどの巨大なの
を掘り上げるし(前日に軍手してしゃもじ持って練習済み)、ヤギとも触れ合うし(これもYouTubeで予習済み)、トイレも大丈夫(地図で確認済み)、弁当は完食1番乗り(レジャーシートを広げるところから練習済み)といった具合。

全てが全て練習や予習ができるわけではなく、これらは全体で見るとほんの少しに過ぎない。それでも知っていることが少しでもあるだけで、強くなれる。新しい出来事にも柔軟になれる。

わたしだってそうなんだ。

仕事での不安ごとや心配ごとを突破するにはまず「相手を知る」ことにしている。現場に行ってみておくことも多々あるし、事前リサーチやヒヤリングにはたくさんの時間を使う。時間の流れ、場所の流れ、人の流れをイメージトレーニングをすればするほど、よい写真が撮れる。
わたしはそういうスタイルであることを深く意識している。そしてそれを良しとできてから、強くなれたように思う。

遠足が終わったその夜。
泥だらけのズボンを洗っておこうと手にすると、後ろポケットに小さなどんぐりが3つ入っていた。
お土産に拾ってきたんだな。あ、乗り越えたんだな。
淡々と過ごしてみた1日だったけど、やっとここでホッとした。

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