元旦の過ごし方

元旦は毎年だいたい京都で過ごす。
「どんぐりあった!」と両手いっぱいのコロコロどんぐり。
これでしばらく探さなくていいや、とほっとする。京都ナイス。

ほっとしたのも束の間。毎年恒例になってきている姉妹(+夫)元旦映画鑑賞へ。
今年は何にしようかと、考えに考えて一番重そうな『レ・ミゼラブル』になった。渋り渋り恐る恐る新京極のMOVIX京都へと参る。こどもはもちろん預けて。

で、どうだったか。
3時間の映画で、2時間泣いてました。

念のためにとハンカチではなく首に巻けるくらいのスポーツタオルを持参していたのが、我ながら大正解だった。全編オールミュージカルなので、オールソング。言葉(セリフ)の間とか、意味とか、余計なことに意識をやらなくていいので、オールダイレクトアタック。脚本、撮影、美術、衣装、役者、音楽、演奏、歌。余白なしのオール山場。びっくりした。びっくりした度数でいうと、ビョークの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年)をついに上回った。1998年に見たジャン・バルジャン=鹿賀丈史の舞台版(大阪・飛天)ではほとんど意味が分からなかったのに、全部来た!年取ったというのもあるだろうけど。とにかく、びっくりした。誰かが歌う度にこみ上げて来るから、嗚咽しそうになり、タオルを噛み締めていた。夫も妹もだだ漏れしていた。逆に途中、出て行く人もあった。それもすごく分かる。わたしは途中もう完全に座席に立ち上がり、一緒にフランス国旗振っていた(感じ)。子育てでしんどいとか、仕事でしんどいとか、ぐちゃぐちゃ言ってる場合じゃないよ、ジャン・バルジャンを思い出せと。奮い立っていたのだった。

実家に帰って、父や母に映画の事を話すとまた泣けてきて、そうしていると、テレビにはウィーンフィルハーモニーのニューイヤーコンサートが。先日 撮影させて頂いたチェリストのヘーデンボルク・直樹さんが登場されていた。再び大興奮。なんか、もう、すごいよ元旦!

よい音楽、よい映像に、2013年もたくさん出会える予感。
いやもうすでに充分だけど。
明日から台湾、帰国後はすぐに東京へ。
大丈夫かな、わたし。いってきます。

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一仕事終えて

大晦日。遅ればせながら年賀状200枚書き終えて、寝転んで、レゴしたりパズルしたり、昼寝したり、靭公園を散歩したり、「どんぐり探して!」と いう難しい要望に答えたり、三輪車を追いかけたり、堀北真希をうっとり眺めたり、いつも通りの一日でした。

おかげさまでこの1年は無事に、健康に過ごすことができた。元気でいれるだけでこんなにも有り難いなんて。咳なし、熱なし、倦怠感なし。あの底の 日々から丸2年。ようやく身体の芯が戻ってきた2012年。まだどこかでやっぱり不安を感じることもあるけれど、全部ひとまとめに生きていきたい。

今年の大きな変化はそれだけではない。息子が外で抱っこを言わなくなったこと。3歳になって、ちょうど体重も米3袋強くらいになった頃だろうか。 こちらは重いは、自分も居心地そんなによくないわと分かってきたのだろう。それまで本当に何が怖いんだろうと思うくらいに地上に降りなかった。で も、それでOKと思っていた。90cmやそのあたりから見る風景なんて、奇妙で怖いに決まっているし、いつか降りるだろうと思っていた。それがほんとに丸3年で着地。3年もとお思いかもしれないけれど、我らは幸せだった。着地までの日々を、空中移動を、みんな支えてくれてありがとう。

写真はますます楽しくなってきた。17歳から変わらずフィルムカメラを触り、仕事にまでなっていること。17年経っても、ドキドキするし、分からないし、難しい。今日だって、ほんとはクリスマスの写真を大きくアップしたかった。だけど、どれもしっくりこなかった。悔しい。フィルムで撮って、プリントして、データ化して、編集して、言葉をつけて、そしてようやくアップできる。この時間が、このブログがきっとますます写真を楽しくさせてくれている。

2012年もたくさんおつき合い頂きありがとうございました。
2013年も毎日を丁寧にサヨウナラしていきたいと思います。

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午前0時のサンタ

食卓の横の木の下に、サンタはちょっとドキドキしながら置いていった。

起きてこないかな。ラッピング間に合わなかったな。布かけておこうかな。赤い靴下拝借しておこう。こどもに手紙でも書いて入れてやろう。手紙は ローマ字で雰囲気出してやろう。そうだそうだ、カーテン少し開けておこう。ここから入って、ここから出た。よし、OK。

こどもは、寝る前に手紙を書いていた。(すべて母代筆)

〜サンタさんへ
(絵)サンタさんのぼうし
(絵)靴下
(絵)靴
(絵)先生の靴
(絵)しまじろうの靴
あいちゃんの「あ」
よっちゃんの「よ」
京都のばあちゃんの「ま」
奈良のばあちゃんの「か」
ピーパの「み」
(絵)おやま

支離滅裂なようで、緩やかに何かひとつ繋がっているような3歳の手紙。
森のクリスマス会以降、ほんとにサンタがいる気がしてきたわたし。
いけるとこまで、サンタを信じさせてやりたい。というか、一緒に信じたい。

あの日。小3の12月。
近所の女子Aちゃんに「家にいいものあるから見にきていいよ。」と誘いを受けた。放課後Aちゃんと一緒に家に着くと、Aちゃんはいきなり押し入れに登り、天袋の奥の方からごそごそと何かを取り出した。「ほら、これ、サンタのプレゼント。お母さん、ここに隠してるねん。」とAちゃんが大きな包みを高らかに掲げて言った。「え!?」と絶句のわたし。「え?って、あいちゃん、まだサンタ信じてんの?」と笑うAちゃん。「え!?あ、お、か!?え。 あ、、、用事あるし帰るわ。」と一目散にその家を出た。外はまだ明るい、寒さも穏やかな夕刻。あの女子。Aのことがその瞬間から大嫌いになった。サンタはわたしには読めない”ローマ字”の”手紙”を書いてくれたのよ。あれは本当なのよ!何よ!A!Aのアホ!

振り返れば、サンタを信じさせてくれていたそんな”サンタ父”と”サンタ母”と、これでお別れになるという事が決まったことに、怒っていたのだろう。うっすら気づき始めていた時だったから、なおさらセンチメンタルになっていた。いるよね!って言ってほしかった。Aも悪気はなく、なぞなぞの答えを見つけたように「すごいでしょ!わたし!」と言いたかったのだ。ただそこに、Aの中に、センチメンタルがなかった。そこがわたしと違ったんだ。

午前0時。新米サンタは小3まで引き返したりして大忙し。
こどもの事より、Aのことが気になってきた。

Aちゃん、どうしてるかなぁ。クリスマス、おめでとう。

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森でいただいたプレゼント

森の中のクリスマス会のつづき。
美味しいディナーを頂いて、みんなで歌を歌って、そしていよいよプレゼントの時間へ。

最初はneccoさんところのねぇねちゃん。6歳の女の子から。柔らかい羊毛でできたクリスマスリース、そして息子の似顔絵2枚、折りたたみ式のお手紙は弟のもっちゃんから。そしてここには(食べてしまって)写ってない姉弟で作ってくれたクッキー。星とライオン。彼女はこの時間が来ることを今か今かと待ってくれていた。それは最初、プレゼントをもらえるからなんだと思っていたら、ちょっと違った。彼女はもらえること以上に贈ることを待っていたのだった。まだ幼稚園児さんなのに、その想いを出したりひっこめたりしていた姿がとても愛しくてたまらなかった。

2番目は、いつも都会の風を感じさせてくれるシャネルのあやちゃん。赤い靴下の中に、空を見上げるキリンのスノードーム。そしてトラの絵のスタン プ。そして大人用にセレクトしてくれた合わせ茶。小さいけれど小技の効いた何とも絶妙な組み合わせ。雪を降らせては落ちて行く、その様子をじっと見つめる我ら。あたたかすぎて泣けてくる。

3番目はわたし。パンツのゴムのわたし。恥ずかしくて嬉しくて、なんだか焦って床に並べてしまった。ひとりひとりの名前を読んであげたかったのに。ちゃんと目を見て渡したかったのに。6歳のねぇねちゃんみたいになりたかったのに。恥ずかしくて嬉しくて、いっぱいいっぱいだった。

4番目は、海の風。いつものご近所みしんの子さん。頑張り屋さんで負けず嫌いで、朝は誰よりも早く起きて、すでに出る準備をして玄関に立っている。そんな彼女。まさかの力作。ステンドグラスが登場。こども用に首からかけられる3色のもの。それを入れておく黒い巾着袋。大人用に2色のものまで。いつどこでどうやって仕込んでくれていたのだろうか。さらには手づくりのシュトレーン。美味しくてこちらも撮影には全く間に合わなかった。飛び出す折りたたみろうそくは、3歳の娘ちゃんからの力作。炎の明かりに照らされて、ブルーのガラスからはこの夏のあの海が、見えてきた。

5番目は、森の風。主のneccoさん。まだ実は出会ってそんなに長くはないけれど、10年前からこの森を知っていたような気持ちにさせてくれるほんの少し年上の彼女。洋のおもてなしの中に時折、和のおもてなしがミックス。そのバランス感覚にいつも染み入らせてもらっている。そんな彼女からは、布で編み込んだ縄跳び。ゆっくりペースの息子はまだ飛べていないけれど、じっと見つめていたのは持ち手のところにつけてくれた絵とぼんぼり。果実のなった木と、青い馬。大人用には小さな杉の枝と小さな飾り、その花瓶の下に敷く黄色い織り物。ツリーのなかった我が家に、物語を感じる特別なクリスマス空間が、ここに完成した。

一夜明け。飾りながら、写真を撮りながら、背後からは「わぁ、すごいなぁ。」と嬉しそうな息子の声。ちょうど食卓の自分の席の目の前だからか、ひとつひとつをまたゆっくりと確かめていたのだった。

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森の中のクリスマス会

15:30。仕事早帰りに保育園ピックアップ、野菜の直売所とタケウチを経由。
16:30。着いたらもう、そこは別世界。
大阪とか日本とか、地球とかそういうのが吹っ飛んでしまうくらい。

森の主のneccoさんを中心に、みなが完全に鮮やかなクリスマスディナーを整えてくれていたのだった。もう完全に有り難く頂いてしまうことに。

森の中の飾りつけは、そう、飾りとかインテリアとかそういうものではない。細部にまでいろんなものが宿っている生き物。「そこに」「あるもの」。森のこども達までもそんなふうに見えてくる。

息子はわたしと同じ、宿っているものの力をほんのりと感じ取っていた様子。慣れた顔ぶれでもこの日はわたしから片時も離れなかった。それがなんだか分かるから、なるべく横で、なるべくゆっくりとさせてもらった。そんなわたしたちに森のみんなは今日もやっぱり優しかった。そうしていると、窓辺の光の横で「きれい。」とつぶやいていた。

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森のこどもたちへの贈り物

ある日、「なんでウチにはツリーないの?」とボソ〜っとつぶやいた3歳半の息子。しまった。完全に油断していた12月。日々かけずり回っている余白の少ないわたし。そんな折に、森のお家からクリスマス会のお便りが届いた。

“持ち物はこどもたちへのささやかなプレゼント”

何か作ってみようか。こんな思いはじめてのこと。できることは、2つ。名前の頭文字の刺繍と、パンツのゴムでひっかける所を作ること。早速、取材帰りのなんばで機材を担いだまま、「オーガニックコットン」の柔らかいハンドタオルを手にしてみた。来年から 幼稚園に入園する子、進級する子、小学校に入学する子、みんなの顔を思い浮かべて。

「る」と「れ」がちょっと難しくて、何度もやり直しては紙に字を書いて確認して。それも楽しい。普段は固いもの(カメラ)を持って手仕事しているせいか、柔らかいもので何かを作ることへの安らぎ感は果てしなかった。ひっかける所のひもはパンツのゴムでいいんだろうかとふと考えながらも、そんなことはきっとどうでもいいんだったと思いかえしていた。そんなふうに”柔らかいもの”との触れ方を教え続けてくれていたのは、そうかそうだった、森のみんなだったんだ。

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ベレー帽の下で

白髪がちらりほらり。雪景色。
え、っと鏡に固まりながら慌ただしい師走を過ごしています。
仕事はいまミドルの忙しさで、暮らしがラージの忙しさという案配。
みなさま、いかがお過ごしだろうか。

11月24日。土曜日。夜9時。
たくさんのお客様に支えられて、4周年。無事に窓際トークイベント『window』を終わらせて頂いた。ワークとライフとフォト。終わってからは また、穴があったら入りたい症候群に落ち入り(オグラユウジくんとともに)、2人してほんとうにこもっていた次第(いや、オグラユウジくんはちゃ んと仕事に出ていましたが。写真/右)。終日珈琲をドリップし続けていたマツカワくんは、ちょっとだけバリスタ気分ながらもいつもとたいして変わらなかった。来て頂いたお客様にはお尻痛い思いをさせてしまい申し訳ないキモチと、でも私たちの歩んできた15-6年を聞いて頂いたことへの感謝 のキモチで、1ケ月近く経つ今日のこの瞬間にも胸がいっぱいになります。本当にありがとうございました。

この写真は窓際トーク開催数時間前に、お祝いに駆けつけてくれたご近所の友人みしんの子さんがちょっとブレながら撮影してくれた。それくらいが ちょうどいい。来年もまたこうして撮ってもらえるよう精進したい。

暮らしのラージについては、また今度。

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撮影こぼれ話

今日は家族で行ってきました『街 建物 リノベーション展2012』。

19:00からのトークイベント「大阪の都心居住。それオレらがつくってたんやで!」を聴きに。と思ったら超満員で入れず。というか息子ややこし。夫もしどろもどろ。入って3分で断念した。何と言う盛り上がり。いやしかし非常に残念。ずっと気になっていた「都住創」のお話が目の前で聞けなくなってしまったのだから。それもこれも何かのご縁。展示会場「クラフトハウス」に戻ると、会いたい人に会えたから。

その一人がこの写真を撮ってくださった、デザイナーのトクさん。アートアンドクラフトに常駐しながら数々の紙媒体、web媒体の宣伝物をスーパースピードで作り上げていくグラフィックガール。抜群のトリミングセンスでわたしの写真がもういっちょ羽ばたいていく感じ。彼女の調整のおかげで8時間や10時間の撮影スケジュールも問題なく快適に、そして楽しく豊かに進んでいく。

わたしにとって撮影とは、チーム仕事。

こんなきわきわな場所でもみんなと一緒なので怖くなかった。数枚ブレてたけど。朝から晩までスタイリングに走り回っていたヒロカワさん、この展覧会全体を企画運営コーディネートしていたド根性の持ち主オカザキさん、撮影前日の深夜まで手直しされていた設計者のビワさん。それらすべてを包み込む社長ナカタニさん、アートアンドクラフトのみなさん、ひとりひとりのお顔を思い浮かべながら撮影していたことを、今日、ふと思い返したのだった。

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家が会場

この秋、出し切ってきたお仕事がカタチになってきています。

出し切って来すぎてカスカスなので、淡路島でエステしたけど、それでも1週間したらまたカスカスなので、誕生日に買った無印良品の「超音波アロマディフューザー」にブレンドエッセンシャルオイル「リラックス」を7滴入れて潤いを。何、これ。抱えて寝たいぐらい癒される。

いやいや、全然寝ている場合じゃないよ。

“家が会場”の展覧会『街 建物 リノベーション展』が大阪市福島区で開催中なんだもの。リノベーションのパイオニア「アートアンドクラフト」さん(大阪市西区京町堀)のこの10年の歴史と、 コンセプトハウス「クラフトハウス」(今回の物件は商店街の中の築年不詳の木造戸建をリノベーション)に誰でも入り込める仕掛けになっている。わたしはこの展覧会にまつわるあらゆる写真を山ほど担当させていただいた。17歳の頃から家の写真の仕事がしたい(新築じゃなくて)と漠然と思っていたことが、17年経って、ほんとにど真ん中に、そしてこれ以上ないくらいに叶っていることにただただ感謝。感無量。だからカスカス。だから嬉しい。

昨日、オグラユウジくんと2人でこの家会場へ。彼はいつも山ほどわたしの”家の写真”をプリントしてくれているけれど、実際に一緒にリノベーショ ンされた空間に足を運ぶのは初めて。入るなり、わたしたちの”写真”が山ほど美しく展示されていた事にまず驚いてくれ、家に入るなり様々な建材とデザイン、そして射し込む光と空の風景に感嘆の声。そして何故か、畳下の収納に一番感動していたオグラユウジくん。それを横で聞いているのがおかしくて、吹き出しそうになっていた。そういうストレートな、そういう普通の感覚が、見れて聞けてよかった。この家、3980万で購入可能。

人それぞれ、住まい方自由でいいと思う。
ただそれが自分に合ってれば。
新築でも、タワーでも、建て売りでも、団地でも、町家でも長屋でも小屋でも。
その選択肢のひとつとして「リノベーション」という手段があるよってだけ。
知るだけでも、知ってほしい。

オープニングのトークショウで編集者の竹内厚さんが言っていた。
「家の奴隷にならない」、「家に負けない」、「それがリノベーション」。

【街 建物 リノベーション展2012】
2012年11月16日(金)-25日(日) 13:00-20:00
会場:クラフトハウス福島区聖天通
http://www.a-crafts.co.jp/machitate-ten/

関連記事。たくさん写真を掲載してくださいました。
used living -life style web magazine-
http://www.used-living.com/topic/artandcrafts

*写真右/街 建物 リノベーション展チラシ(聖天通商店街で秋の朝撮影)
*写真左/同時にオープンハウス開催中のセレクト型リノベーション「TOLA3」のチラシ(こちらの写真もすべて担当)

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束の間バカンス

ベンツに乗せてもらって、淡路島へ。

今週34歳の誕生日を迎えるわたしは、何か変わったことがしたいなと思っていた。そこで思いついたのが「エステ」と「バカンス」だった。ひとりや家族でのバカンスは普通だけれども、わたしにとって「お友達とのバカンス」はなんと人生で初。女子同士でどうのこうのする例えば卒業旅行も行ったことなし。修学旅行やら研修旅行、あらゆる何とか旅行が憂鬱だった。だけど息子と同じ3歳の”ミニカー好き”のユウくんと、9歳年上の落ち着いたママと、ベンツ、エステ、一時保育、大阪から1時間以内、5日後の日曜日と月曜日、広い和室、ウェスティンホテル淡路。というピースがカチカチっとはまって、旅の予定は一瞬で決まったのだった。

ホテルのロビー。ここにも、大きな窓。射し込む光はあたたかかった。建築は安藤忠雄建築事務所。2000年、淡路花博の際に建てられた。赤い花の椅子は、プロダクトデザイナー梅田正徳デザインでエドラ社製。一体定価74万円。そんな空間で、大はしゃぎ。記念写真はこんな案配。かと思えば、74万円の脇でミニカーを貸す貸さないの言い合いのひっぱり合いまで繰り広げていた。

そんなこどもたち。母たちの「エステ」タイムには2時間だけホテルの託児所で、ともに過ごしてくれた。それもこれも初めてのこと。ユウくんは強かった。息子は泣いていた。ユウくんは息子の手をぎゅっと繋いで遊んでくれていたらしい。そしてその手を繋いだまま、ふたりは保育士さんに敷いてもらった布団の上でわたしたちが迎えに行くまで眠っていた。わたしたちの2時間はあっという間だったけれど、こどもたちの2時間は長かったんだ。 そうだ、忘れそうになっていた。こどもにとっての時間感覚。ユウくんの手と息子の涙で知る束の間の出来事だった。

この後、わたしは初の「エステ」効果で老廃物が出まくることになる(トイレ約20回)。出ることは良いこと。取り込むことができるから。夕食ビュッフェで焼きたて淡路牛を、朝食で焼きたてオムレツを、イングランドの丘でゴーカートを、ユウくんとママの乗馬姿を(我が家は見学)、ふれあいコーナーで羊を(我が家は見学)、ハイウェイオアシスで恐竜のお土産を、明石海峡大橋で旅の終わりを。今回の旅に憂鬱さはひとつもなく、だからすべてを爽快に取り込んで帰ってこれた。

そうそう、9歳年上のママ。
彼女の運転は意外にも、やんちゃだったんだ。
大人の色気。後ろで固まりながら見ていた。
彼女との旅はなんだか全部が心地よかった。

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